さて、いよいよ日本ダービーである。

 いまは入場券を事前に購入するスタイルになっている。それに座席はほぼすべて競争率の高い指定席。だから、ダービーの出走直前に競馬場に入っても別になんのことはなく生観戦できるし、雰囲気も味わえる。

 が、数年前(つまりコロナ禍前)までは事情が違った。前日の夜や当日の早朝(というか未明)から競馬場の前に並んだりして、少しでも良い席で観戦しようと開門ダッシュ、なんてことをしたものだ。

ADVERTISEMENT

 前日の夜なんてまだまだ甘い方で、1週間以上も前から並ぶツワモノもいたくらいの、まあとにかくちょっとしたフェスのようなビッグイベントだったのだ。

 いまでももちろん並んでいる人はいるけれど、ダービー前夜から東京競馬場周辺に渦巻いていたあの高揚感は、いくらか失われた感がある。

 それはともかく、東京競馬場。東京都府中市、多摩川の河畔に広がる日本一の競馬場。この競馬場に、どうやって行くのか、である。

日本ダービー開催地「東京競馬場」に秘められた“ほんとうの最寄り駅”のナゾ

東京競馬場の「最寄り駅」はどこにある?

 最寄り駅としていちばんに挙がるのは、京王線の府中競馬正門前駅だろう。その名の通り、競馬場の正門に直結している。新宿方面から東京競馬場に向かうには、いちばん便利な最寄り駅といっていい。

 次いでJR南武線・武蔵野線が乗り入れる府中本町駅だ。南武線のおかげで川崎・横浜といった神奈川県内からも行きやすく、武蔵野線は埼玉方面からのアクセスを容易にしてくれている。

今回の路線図。現在の最寄り駅は京王線の府中競馬正門前駅、JR南武線・武蔵野線が乗り入れる府中本町駅だが…

 最寄り駅といえるのはこのふたつだけなのに、なかなかよく出来た、交通の便には恵まれまくったさすがの東京競馬場、なのである。おかげで、10万人ものお客が押し寄せるビッグレースでも、大量の観客輸送ができているのだ。