前向きになる秘訣は「歩くこと」と「宇宙単位で考えること」
坂本ちゃん でも店番やって、アルコールへの思いは変わりましたね。父親がアルコール依存症だったから、とにかくお酒って嫌なイメージしかなかったんですけど「こんな楽しい飲み方する人もいるんだ」ってわかって。もちろん、嫌な飲み方をする方もいますけど「ああ、こんなにお酒で人が変わるんだ」とも気づいて。アルコールって本当にその人の素が出ると思うんですよ。だから酔っ払っても変わらない人って素晴らしいなって思います。
――綺麗に飲めるって大事ですよね。
坂本ちゃん アルコールに逃げないとやっていけない人もいるのかもしれない。でもそれじゃ体を壊すだけだから、やっぱりほかに何か打ち込めるものがあった方がいい。
だからね、歩くといいと思うんです! わたくし歩くと悩まなくなりました。いろんなホルモンが分泌されて健康体になって、気持ちが前向きになります。あとね、どんな悩みだって“宇宙単位”で考えれば「自分、何でこんなに小さいことで悩んでるんだろう」と思えますよ。
――前向きになる秘訣ですね。
坂本ちゃん いろいろあってもう距離を置いてしまったんですけど、こういう性格に産んでもらったことは親に感謝ですね。何気にやっぱり前向きなんですよ。
――似てますか、性格が。
坂本ちゃん あまり考えないタイプなんです。
――楽天的というか。
坂本ちゃん う~ん、ちょっとその場しのぎ、みたいなところが似ちゃってるかな。なのでわたくしは、結婚して子どもを残さないって決めているんです。もちろんこういうジャンルの身の上(LGBTQ)なので、結婚も子どもを持つことも、考えてこなかったんですけど。
オネエキャラと言われてたけれど…
――いつ頃、恋愛対象が同性だと気づいたんですか?
坂本ちゃん 物心ついたときには、もう男性が好きで。ただ当時、世間的にもLGBTQ って概念がなかったし、自分でもゲイという自覚はなくて。単純に男だけど男が好き、ただそれだけ、みたいな感覚ですね。
なぜかよく友だちの女子や店のお客さんとかに「女の子より女の子らしい」って言われるんですけど「いや、別にわたくしおっさんだけど?」って。別に女性らしさとか、全然ないんですけどね。
オネエっていうのも、今は個性みたいになったじゃないですか。だからいいですけど、数年前はオネエキャラブームでオネエだらけの番組があって、わたくしもちょこちょこ呼んでいただいてました。でもね、作り手側も世間も「オネエっていうのはこういうものだ」っていう型が求められていて……。
「女性らしい女性になりたいわ」とか、女の子でキャッキャしてる、みたいなのを求められているなって。実際そういう要素のあるオネエもいらっしゃるでしょうけど、わたくしには一切なくて「演じなきゃいけない」というか、ジレンマというか。やってて楽しい部分もあったんですけど、無理して誇張しなきゃ、みたいな。
