クリニックの血液検査は「大人の通信簿」
――毎日、ひたすら同じコースを歩いているとか。
坂本ちゃん 最初の頃は散歩の延長で、知らない道を歩いていたんです。散歩は好きだったんですけど、ウォーキングとは全然別物。わたくしが日々やっているのはウォーキングの方なんです。
今は、大体3パターンのコースがあります。コースが決まって、2時間のなかで距離感が叩き込まれてる。国立競技場の方は都心コースで、巣鴨の方は自然が豊かなコース……小石川植物園とかあってね。そうやって、その日の気分で、パターンを分けて歩いていますね。
――イヤホンで音楽を聴きながらとかは。
坂本ちゃん 聴くと音楽に集中しちゃうので、セロトニン(「幸せホルモン」と呼ばれる脳内物質)分泌を促すためにも、やっぱり無の状態のほうがいいんですって。歩きながら看板の文字を見て、何か連想したり思い出したりとかしながら、あるいは出かける前に聴いていた音楽が脳内で流れたりとか。今日は取材を受けるので「何を話そうか」とか考えながら。そうやって考えながら歩いているとあっという間に帰ってこられるんです。
そして帰ったら、体重と血圧も毎日測って。大人になると通信簿ってないじゃないですか。なので、数カ月に1回のクリニックの血液検査がわたくしの通信簿みたいなもの。今、歯科医院も3カ月に1回くらいクリーニングに行って、歯周病予防の数値とか調べてるんですけど、その結果で健康を維持できているのがわかる。ゲーム感覚で「合格ラインをクリアしよう」っていうのが楽しくて。
――そういえば、学生時代のテストとかもゲーム感覚があったような。
坂本ちゃん わたくしね、暗記するのは得意だったんですよ。だから世界史や日本史は元々できたんです。ただ、他の教科の「応用するための勉強の仕方」がわからなかった。それでケイコ先生に勉強を教わって「バカじゃなかった」というのはわかりました。わたくし、教わるまで勉強の仕方がわからなかったし、痩せ方もわからなかった。痩せるのもやり方を教えてもらえればできるものなんだなって。できるようになって褒められて。
「自分のままでいいんだ」って気づけてよかった!
――坂本ちゃんは、きっと導いてもらいたかったんですね。
坂本ちゃん ちょっと恥ずかしいんですけど、親からの愛も受けられないまま……って思い込んでいたので、どこかで愛情に飢えていたのかもしれないです。だから褒められると「いや、自分なんて」みたいに思っていたんですけど、健康になったら褒められて素直に「ありがとうございます」とか言えるようになった。そして自分を否定しなくなりましたね。
60歳近くになってやっと「自分のままでいいんだ」ってわかりました。遅いとは思いません。気づけて良かったと思います。
――自信があって精神的にも安定してるっていうのは、すごくいいですね。
坂本ちゃん 『電波少年』で、東大は無理でしたけど私大は数校合格できて。多分それもすごく今の自信につながってるんです。現役のときには付属大学も落ちた、親にも振り向かれず居場所がなかった。そんな自分でも「勉強すれば大学に受かるんだ」って自信を持てた。
でもね……『電波少年』のときって自分の努力もあるんですけど、番組側から「大学受験してください」と言われ、ケイコ先生に教わり、やっぱり少し受け身ではあったんですよね。でも今回は自ら動き、歩くことで22キロ痩せられたのがさらに自信に繋がってるんです。
