――じゃあこれからも影響を与えていけるように。
坂本ちゃん 人のためになるには自分の生活が成り立っていなきゃいけないので、そこをまず落ち着けたいですね。
人が好きだからこそ苦手だった…歩き続けながら「これからやりたいこと」
――これからやりたいことはありますか。
坂本ちゃん 歩くのが「好き」を超越したのもあって、お遍路さんとかしたいなって思っていて。見た目もこんな感じだから似合うでしょう?
――お仕事で?
坂本ちゃん そうですね、せっかくなら仕事としてやりたいですね。あと、今までやってきたなかで地方ロケが楽しかったから、またやりたい。いろんな場所で、いろんな人と出会って素朴な会話をして、触れ合って。
結局わたくしって人と触れ合うのが大好きなんだってわかったんです。かつて人が苦手、怖いって思っていたんですけど、それは人が好きだから。人に期待しすぎるとか、裏切られたときのショックの裏返しで。経験値から距離感を覚えれば、人に対するのって楽しい。
――坂本ちゃんの旅番組があったら、ユーモアも穏やかさもあって楽しそうですね。なにしろ「歩く達人」ですしね。22キロ痩せて、講演の依頼もありそうですね。
坂本ちゃん 「糖尿は怖いんだよぉ」とか「血糖値測ってる?」ってことは伝えたいですね。「肥満はダメだと思います」って、デブが言ってもダメだろうけど、わたくしは22キロ痩せたって自信がありますし、健康とか歩くことについては自分の経験なのでいくらでも喋れると思います。
面白いですね。まさか自分がこういう考えに至るとは、3年前の90キロの時は思いませんでした。人って変われるんだなってつくづく思います。本質は変わらなくても、プラスに変われる。いいときも悪いときも、永遠はない。「つらいときこそ楽しみましょう」って言うのが持論です。なんかこんな話ばっかりしてると宗教の人みたいね(笑)。
――そういう体験から滲み出る言葉こそ、うかがいたいです。
健康を整えていれば過酷なロケだって…
坂本ちゃん 『電波少年』のことだけじゃなくて、健康のことも喋れるって嬉しくって。それにお遍路の仕事や海外ロケの話が来ても、不健康なら歩けないわけですよ。健康を整えていれば過酷なロケだってできるわけですよね。
――まだ求めてますか、過酷なロケ。
坂本ちゃん こういう見た目とか『電波少年』で「努力」ってイメージがついて「できないのにチャレンジ」みたいな過酷なロケを多く経験してきました。社交ダンスとかスイムとか。運動苦手なのに「走ると人生変わるよ」って言われながらフルマラソンもやって「もうヤダ!」って思ったんですけど、仕事だからこそがんばって経験できてよかったです。でも今は走ろうとは思わないですね(笑)。自分には「歩くこと」が合ってる。自分の人生も、走るよりも一歩一歩歩いてきたのかな、みたいな。これからもそんな感じかと思います。
――これからも歩いていく人生で。
坂本ちゃん そう、今日も帰りは交通機関を使わず、1時間ぐらい歩くんです。でも歩くと1時間くらいあっという間。やっぱり習慣って全てをラクにしますよ!
写真=深野未季/文藝春秋
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