心強い友だちがいるからこそ「1人でも大丈夫」

――「1人だから不安」ということはないんですか。

坂本ちゃん ないんです。

――友だちがいるから?

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坂本ちゃん そう。それに健康だから。

 だいたいわたくしは子どもの頃から1人でいることに慣れているんです。空想・妄想を繰り広げながら、頭の中にいるもう1人の自分と会話している、みたいな。それでずっとやって来たので、1人が当たり前っていう感覚で、寂しさもありません。観葉植物を育てたりとか、家で1人で過ごすのが大好きなの。

――観葉植物もお好きなんですね。

坂本ちゃん 大好きで、お部屋がジャングルみたいなの! そういう好きなものに囲まれて、今でもいただけるお仕事を感謝してやらせていただいてる。スタンスとして、売れていた当時より精神的にも幸せです。

観葉植物がいっぱいのお部屋(坂本ちゃんのXより)

――坂本ちゃんの「強力なお友だち」って芸能界の方ですか?

坂本ちゃん 例えば、同じ事務所の女優さんの岡元あつこさん。いつも気にかけてくださって、すごく助けられてるんです……旦那さんにまで。兄弟デュオ「狩人」の加藤高道さんなんですけど、このスニーカーも高道さんから誕生日プレゼントでいただいたんです。

 わたくし、ケイコ先生、岡元さん、今のマネージャーと……要所要所で女子に助けられているんです。ケイコ先生も『電波少年』の後に「もう坂本ちゃんは家族みたいなものだから」っておっしゃってくださって。わたくしが家族とのしがらみで苦しんだときにも、その言葉がありがたく滲みました。

誕生日プレゼントでもらったというHOKAのスニーカー ©︎文藝春秋

「坂本ちゃんジジイになったね」って笑われてもいっとき楽しんでくれればいい

――ケイコ先生は今は浪曲師になられて、ずいぶん違う人生を歩まれてますが、今もつながりがあるんですね。

坂本ちゃん 『電波少年』当時、いつも「坂本ちゃん、絶対大丈夫」っておっしゃってくださって。いまだにその「大丈夫」って言葉に助けられています。

 彼女は浪曲に出会って「やりたいことが全部詰まってるって知ってしまった!」と言って、当時の事務所も辞めて全部手放して、大阪の師匠に弟子入りに行ったんです。その行動力は、本当に素晴らしいなって思います。

 でも自分と比べてはいけないっていうのもわかっていますし、それと同時に、自分の価値観の押し付けって老害になってしまうので、聞く耳を持っていつでも柔かい頭でいなくちゃいけないな、とも思ってます。

 だから今回取材していただいて、この記事を読んでくださった方が、何か「きっかけくれたわ」「気づいちゃったわ」って思えるような生き方をしていきたいです。これからも。

――自分の人生を伝えて、何か感じ取ってもらえたら、と。

坂本ちゃん そう、それを仕事に結びつけられたら最高、って思いますね。わたくしをテレビで見た人が「うわあ、坂本ちゃんジジイになったね、ますますハゲたね」って笑っていても、いっとき楽しんでくれればいい。

 やっぱり芸能の仕事ってたくさんの人が見てくれて、何かしら明日の活力になるかもしれない。そういう仕事って1回経験しちゃうと辞められないなって思いました。