コウメ太夫、鉄拳…白塗り芸人は“絶滅の危機”

――キャラ芸人の作り方は未だ言語化されていない。

ゴー☆ジャス それによって白塗り芸人なんて絶滅の危機なんです。僕とコウメ太夫さんと鉄拳さんと、あとBANBANBAN山本って、フリーザ様の真似してる芸人。あと、冷蔵庫マンさんぐらい。僕としては今後白塗りを増やす活動をしていこうかなと本気で思ってます。「全日本白塗り協会」みたいな。

――白塗りの良さとは、なんでしょうか。

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ゴー☆ジャス まずプライベートが保てる。怒られづらくなる。サンミュージックってもともとダンディさんから始まって、一発屋たちの巣窟、アクの強いキャラ芸人の集まりだったのに、最近「漫才やりたくて入りました」みたいなアホなことを言ってる新人がいるんです。「えっ、何のために入ったの? それサンミュージックじゃないよ」と思って。

――サンミュージック所属のママタルトさんは漫才でM-1決勝に行かれましたよね。

ゴー☆ジャス 俺の中では、サンミュージックのお笑いっていうのはサーカス軍団なんです。だから、ママタルトには「巨体の男」という役割があります。

――ああ、なるほど(笑)。

ゴー☆ジャス 僕、最近事務所ライブは出てなかったんですけれども、この間マネージャーに「今度事務所ライブのあとにキャラ芸人を集めたコンセプトライブやるんですよ」って言われて、その芸人リストを見た時に、薄いなと。みんなキャラが薄い。このままではダメだと、そのライブに出たいと志願したんです。「キャラ薄いよ、お前たち!」って怒りに行くために。

 

――かっこいい。

ゴー☆ジャス でも当日一組一組のネタを袖で見ていたら、全部面白いんですよ。で、俺の出番トリだったんですけど、生まれて初めて「ショートコント」って言うのを噛んじゃった(笑)。

ギャラの関係で「ちょっと一枠安めの誰かいますか?」

――サンミュージックではキャラ芸人が育っているということですね。

ゴー☆ジャス ただキャラ芸人、最初はやっぱりお金がかかるんですよね。衣装やメイク、小道具もあるので。だから後輩に「売れそうだなと思ったら衣装代は出すよ」と言ってるんですよ。事務所にはスターがいないと、僕バーターで出られないですし(笑)。ダンディさん、小島よしお、スギちゃん、鳥居みゆきとかレジェンド級のオファーがあると、ギャラの関係で「ちょっと一枠安めの誰かいますか?」って必ずあるんですよ。で、そこには必ず僕が入る。これが一番うまみがあるんです。ここの座をかれこれ10年ぐらい守ってます。

――最後の一枠を。

ゴー☆ジャス Yes!アキトとかTAIGAとかが迫って来てるんですけど、いまだに僕がそこを死守できるんです。白塗り強めキャラだから。見栄えだけなら「ザ・サンミュージック」みたいな恰好をしてますからね。売れてないことは一種の武器なので。

――売れてないことが武器って、すごい言葉です。

ゴー☆ジャス まだまだやってやるぞっていうモチベーションにもなるし、仕事も増えるし。売れてなくて万々歳ですね。