歯に衣着せぬトークでブレイク、「結婚していた」報告も

 BILLIE IDLEがなくなり、次の就職先を見つけないといけなくなった矢先、テレビのバラエティ番組での歯に衣着せぬトークがウケ、ブレイクした。翌2020年4月からは2年にわたり、ラジオの深夜番組『ファーストサマーウイカのオールナイトニッポン0』でパーソナリティーを務め、下ネタも躊躇しないトークで人気を集める。

「ファーストサマーウイカのオールナイトニッポン0」公式Xより

 前後して2020年の年明けには、その5年前に一般男性と結婚していたことを公表したが、定着したキャラのおかげか世間ではおおむね好意的に受け止められた。

 俳優としてもBILLIE IDLE在籍中の2017年に、友人である劇作家の根本宗子が主宰する劇団「月刊『根本宗子』」の公演『スーパーストライク』に出演したのをはじめ、解散後もドラマや映画、舞台、またアニメにも声優として出演を続けている。ドラマでは2019年放送の『凪のお暇』で毎回違う役を演じて話題を呼んだ。

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映画『ザ・スーサイド・スクワッド ”極” 悪党、集結』プレミア試写会に登壇したファーストサマーウイカ〔2021年撮影〕 ©時事通信社

 まさに八面六臂の活躍だが、本人はずっと「何でもそつなくこなせるものの、全部70点で、これが一番というものがない」と語ってきた。ただ、その場でどうしたら自分が活きるかを分析する能力には長けているとして、次のように自己分析する。

「ずば抜けた才能がないからプロデュース力が培われてきた」

《例えばアイドル時代、みんなが高い声で歌うなら自分は低い声で歌うとか、劇団でふんわり系の女性が多いなら、自分は男勝りなキャラになるとか。何かずば抜けた才能やスキルがないからこそ、自然と分析力や自己プロデュース力が培われてきたのかもしれません》(「LEE」公式ウェブメディア2021年3月29日配信)

 別のところでは、《相手や状況に合わせて自分の姿かたち、性質を変えるのが私の得意とするところで、(中略)棲み分けしつつ、相手の活きる場を作る、それが楽しいし、得意かもしれないと下積みの中で気付きました》と語っている(『TV Bros.』2021年2月号)。そんな自身を彼女はカメレオンにたとえた。2021年のソロ歌手としてのデビューシングルのタイトルもずばり「カメレオン」(阿部真央作詞・作曲)であった。何事も臨機応変にできることは、多岐にわたる活動にもつながっているのだろう。もっとも、本人に言わせると、《飽き性だから、何事も同時並行でやりたくなるんです》とか(『週刊文春』2025年5月15日号)。

ファーストサマーウイカ「カメレオン」(2021年)

 目標も取材のたびに訊かれるが、「私、絶対にこうなる!」みたいな目標は立てたことがないと答えてきた。5年前のインタビューではそこをあえて問われ、《水はここの水じゃないとダメなの! っていうのがあるように、「ウイカさんじゃないとダメなんだよな、この椅子は」っていうのが生まれるといいなと思います》と返している(『anan』2020年8月12・19日号)。