〈ニンジンは切り方の違いで栄養が1/2もダウン!!〉〈タコは揚げ物で疲労回復効果がMAX!!〉など、数字や効能を明快に打ち出した刺激的な見出しが並ぶ。野菜を中心に、たしかなエビデンス(論拠)に裏打ちされた栄養面でお得な食べ方のコツを、キャッチーにまとめた本が好調だ。
「たとえば昔、ほうれん草の根っこは捨てるように教わったと思うのですが、それは当時、まだ土壌汚染がひどかった頃のこと。今は問題が改善されて、綺麗に洗って食べたほうが無駄がないんです」(担当編集者の後藤明香さん)
こうした食に関する正しい情報を広めることにくわえて、まだ食べられる食材を捨てる行為、いわゆる「食品ロス」の問題も意識して企画を立てた。日本は先進国でも有数の「食品ロス」大国。その原因のひとつに、捨てる部分の多い、誤った調理法がある。お得な食べ方は、環境にも優しいのだ。
「人気に火が付いたのは関西からです。やはり損得の話に関西の方は敏感なようで、東京の4倍以上も売れて、そこから全国に人気が広がりました。また、男性読者が全体の3割を占めているのもユニークな点です。病院に掛かる前に、日常生活を見直して健康でいようとする男性が増えていて、そこにも届いている印象ですね」(後藤さん)
5月末刊行の第2弾『栄養まるごと10割レシピ!』も、早くも3万部突破。2冊とも勢いが続きそうだ。
2017年3月発売。初版6000部。現在16刷25万1000部