新品のような白が持続するTシャツ
(3)新品のような白が持続する「タンジェネット」 1万3200円
Tシャツを着ていると、だんだん生地がやつれてくる。さらに白いTシャツなら、色も褪せ、黄色くなってくる。
こうした経年変化はTシャツの宿命といえるだろう。
だが、大手アパレル企業出身のデザイナー、吉屋充氏が手がけるtangenet(タンジェネット)の「チャンプ Tシャツ」は違う。
通常、Tシャツにはシングル編みの天竺素材が用いられるが、このTシャツにはモックロディというカットソー生地が使われている。ダブル編みのこの生地は、厚みがあって丈夫なことから、夏物のジャケットやパンツにも使われる。
また、コットン糸にポリエステル糸を混紡し、熱で縮ませているのもポイント。こうすることで編地が高密度になり、型崩れもしにくくなるという。
さらにこの素材には、静岡県にある東海染工の染色加工工場で特殊な加工が施されている。この加工によって、生地についた汚れが落ちやすくなり、かつ黄色くなるのを防ぐことができるのだ。
この機能は実際に汚して洗濯を繰り返したり、強制的に黄変させる特殊な光を照射したり、さまざまな実験で検証されている。着用の頻度や状況によっても異なるものの、黄ばみにくさはおよそ3年以上持続するという。
ヘビロテしても黄ばまない
1950年代のチャンピオンのTシャツを参考にしたデザインもこだわり。
シルエットは身幅とアーム幅ともにゆったりで、肩はドロップ気味に。和服のようにたっぷりととられた生地に加え、肩のラインを水平に設計することで、着用時に雰囲気のあるドレープが生まれる。
何はさておき、新品のような白が持続する点がうれしい。
筆者もこのTシャツを3年ほどヘビロテ使いしているが、いまだに真っ白なまま。
タンジェネットのPRを担当する宮本哲明さんは、このTシャツの購入直後に、餃子のラー油をつけてしまったことがあるとか。だが、ラー油は浮いているかのように生地には浸み込まなかった。洗濯したら、汚れは跡形もなく消えたという。
白が長持ちするのは、黄色しにくいだけでなく、そもそも汚れがつきにくい点にもある。
福井県の工場で編まれた生地を静岡県の染色加工工場に持ち込んで特殊な加工を施し、縫製は徳島県の工場で、という手間ひまをかけた生産背景を考えれば、決して高いとはいえないだろう。いや、3年以上もキレイな状態で着続けられるなら、むしろ、リーズナブルかもしれない。
白が長持ちして、型崩れにも強い。そのタフさは、チャンプの名にふさわしい。
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「ジャケット用Tシャツ」の最適解は?
続いて、筆者はよくTシャツの上にジャケットを羽織るのだが、この“ジャケット用Tシャツ”選びは一筋縄にはいかない。
生地がペラペラだと格好がつかないし、ジャケットの重みでTシャツの首周りがヨレるのも気になる……。
筆者もあれこれ試してきたが、今のところの「最適解」を後編で紹介する。





