大阪王将の店舗は、会場内最大級の飲食ブース「サスティナブルフードコート 大阪のれんめぐり~食と祭EXPO~」の一角にある。こちらも東西ゲートのちょうど真ん中辺りだ。

同じフードコートは座席が有料で、お金を払わないと立ち食いを強制されることでも話題になった

 訪問したのは、ランチタイムを過ぎた平日の午後3時頃で店内は空いていた。2300円の万博店限定「松阪牛 和牛すき焼き餃子」と生ビールを注文。生ビールが中サイズで900円は確かに高いが、セットだと2600円になる。待つこと10分、受け取った餃子は、松阪牛を甘辛ダレで焼いたものがトッピングされているが、見た目はやや寂しいような。なお餃子のあんにも松阪牛のスライスした焼肉をたっぷり使っている。えきそば同様、やはりこの内容なら2300円は妥当な金額なのではないか。

3個で2000円超の、大阪王将が販売している餃子

 万博店限定で、玉子炒飯に大阪産黒毛和牛の焼肉をたっぷり乗せた「黒毛和牛 焼肉炒飯」も販売しており、こちらは2500円。とはいえ通常店舗と同じ、「五目炒飯」を800円、「元祖焼餃子」を490円で販売していて、ネット上の批判はあくまで一部を切り取ったものと感じる。

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「庶民派の代表格」のはずが「3本2000円超」の串かつも

 同じフードコートには「串かつだるま」もある。新世界に総本店があり、大阪を代表する串かつ店の一つで、串かつブームの火付け役と言われている。万博店では、串かつ3本で2268円というメニューがある。総本店では串かつを1本143円から販売しており「この価格差は何だ」と感じる人も多いだろう。

大阪のソウルフード・串かつの有名店「だるま」

 2268円の「プレミアム和牛3本セット」は、日本三大和牛の神戸牛、近江牛、松阪牛を食べ比べようという趣旨のもの。高価なブランド和牛を、普段一緒に食べ比べることはないので、非常に貴重な体験ができる。実際に食べると、溶けるように肉質がやわらかいのは神戸牛。ちょっと歯ごたえがあるのが松阪牛。近江牛はその中間。庶民派の串かつ店で、和牛の食べ比べというある種のミスマッチが面白い。インバウンドからしたら、これくらい安いと思える商品ではないだろうか。

見た目からは区別できないが、手前から松阪牛、近江牛、神戸牛。日本を代表する和牛を食べ比べできる

「静けさの森」の南側には、「EARTH TABLE~未来食堂~」という飲食店が連なるゾーンがある。その東の端にニチレイフーズが出店したのが「テラスニチレイ」だ。テックマジックの炒め調理ロボット「I-Robo2」が調理したチャーハンを1650円で販売している。味やトッピングがカスタマイズできる商品もあって、こちらは1980円~。

歴史を知ることができる展示は面白いものの、肝心の炒飯はやや迫力に欠けると感じた

 同社における冷凍チャーハンのトップブランド「本格炒め炒飯」は、450グラム数百円で買える。単純計算はできないものの、万博の商品は破格に高い。しかしながらこの店も人気で、午後6時過ぎには売り切れている商品もあった。席も満席と盛況だ。

1500円のスペシャル炒飯

 店内には、冷凍食品の歴史や未来に関する展示があって興味深い。肝心のチャーハンは普通においしいものの、同社が本格炒め炒飯用にプロの工程を再現した「三段階炒め製法・改」を、超えたというほどの驚きは残念ながら感じられず。冷凍食品の未来を示すのであれば、ロボット製のチャーハンを瞬間冷凍して持ち帰れるくらいの、斬新なサービスが欲しかった感がある。