オウム真理教信者の指名手配写真が…
男湯と女湯は番台で仕切られており、左右対称の造りをしている。
さらに奥に進むと、昔ながらのマッサージチェアや、お一人様用の小型サウナ、そこに貼られているオウム真理教信者の指名手配写真なども目を引く。
扉を開けると、そこは浴室だ。
左側にはカランが並び、右側に大きな浴槽が見える。浴槽は1メートルほどの深さがあり、お尻をつけると溺れてしまう。多くの人が立った状態で同時に入れる立ち湯になっており、繁華街の中心部に位置する銭湯であったことがうかがえる。
浴槽の下部には蛍光灯があり、ちょっとお洒落な雰囲気だったのだろう。銭湯では定番の黄色いケロリンの湯桶も置かれたままだ。
大きな浴槽の奥には、一人か二人しか入れない小さな浴槽が3つ並んでいた。電気風呂と水風呂、それに泡風呂だった。こぢんまりとしているが、必要なものは一通り揃っている。また、4階建てビルの2階であるにも関わらず、自然光が差し込んでいるのが少々不思議だった。
浴室の奥に金属製の扉があり、バックヤードに進入する。営業している銭湯であれば入ることができないエリアだ。
足元に気を付けながら狭い通路を進むと、巨大なボイラーが鎮座していた。
ビルの2階に銭湯があるというだけでも大変なのに、重量物かつ燃料の補給やメンテナンスが必要なボイラーまで2階にあるというのは、非常に珍しく、驚いた。
重油式のボイラーからは、多くの配管が伸びている。配管には男湯、女湯、電気風呂などと手書きで書かれていて、浴槽ごとに調整ができたようだ。
また、ボイラーの周辺には多くの備品が置かれているのだが、その入れ物がすごい。銭湯で売っていただろうヨーグルトの木箱が使われている。
いったいいつの時代の代物なのだろうか。精力剤の空き箱が多く使われているのも、歓楽街ならではの光景だ。










