「取締役だけど、やっていることは丁稚奉公」

――家業の会社はお母さんが社長ということで、ゆくゆくはアヒトさんが会社を継いでいくのでしょうか。

アヒト そうですね。福岡に戻って15年ほど働いて、今は一応取締役として仕事しています。とはいっても、やっていることは一番下っ端で丁稚奉公みたいな感じです(笑)。

 50年以上続いている会社で、社員が10人もいない小さな組織ですが、この業界に関してまるで“辞書”みたいに知識や経験を持った人たちが働いているから、それはしょうがない。周りは僕なんて足元にも及ばないベテランばかりですから。

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現在の役職は取締役ながら、自身の仕事を「丁稚奉公」と表現する ©文藝春秋/釜谷洋史

――アヒトさんは男3人兄弟の三男だそうですが、お兄さんたちは会社を継ぐ気持ちはないのでしょうか。

アヒト 長男も会社にいるのですが、母としては経営には向いていないので、僕がやらないといけないみたいな感じになっています。引き継ぐプレッシャーはありますし、新しい人を入れるにしても、人手不足だから難しい。52歳の自分が一番若いという会社ですから、若返りも含めて会社の将来を真剣に考えるタイミングなのは間違いありません。

――アヒトさんが社長なら、音楽好きの若者が「働きたい」とやってくるかもしれないですよ。

アヒト そうですかね。仕事のことはもちろん、音楽と釣りだったら教えられますよ(笑)。何にせよ、今の活動は音楽よりも家業の方が大きいので、経営の方も頑張っていきたいですね。

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