上に挙げた事例のいずれも、店舗側の言い分には一理あり、社員や店員同士で愚痴を言い合う程度であれば、なんら問題はないことだ。

また、問題が看過できないレベルのことであれば、問題のある客と直接やり取りすればよい。

第三者を巻き込むと炎上は拡大する

リスク管理の基本は「必要以上に第三者を巻き込まない」ことだ。特に、事情をよく知らない無関係の人間が参戦してくると、状況はややこしくなりがちだ。

ADVERTISEMENT

ホリエモンこと堀江貴文氏が、コロナ禍で訪れた餃子店からマスクを着用していないという理由で入店を断られ、SNSで怒りの投稿をしたことがあった。当初は、堀江氏の言い分を信じて餃子店を批判する人が多かったのだが、最終的には、SNSに投稿をした堀江氏に対する批判が優勢となっている。

これら過去の炎上から学べることは、ありきたりではあるが、不満や批判をSNSに投稿することには慎重になった方がいいということだ。一時的に鬱憤は晴れるかもしれないが、それ以上の「副作用」を呼んでしまう可能性があるからだ。

「20分以内で食べろ」という要求にしても、店内だけでもっと優しい言葉で説明していれば炎上もしなかっただろうし、効果も上がったのではないかと思う。

早期の対応で「大炎上」とまではならなかった

「ラーメン二郎」府中店に関しては「大炎上」と言われるような事態にまで発展しないで済んだが、下記の2点が大きく影響しているように思う。

1. 早めに謝罪を行ったこと
2. ファンが擁護を行ったこと

謝罪については、迅速だったとまでは言えないかもしれないが、比較的早い段階で行われ、その内容も丁寧だった。

また、謝罪投稿によると、投稿を行ったのは店主ではなく、店員であることが伺える。「トカゲのしっぽ切り」と見られる可能性はあるが、経営者の方針ではなく、担当者レベルでの不手際――ということで幕引きが図られている。

「ジロリアン」は諸刃の剣

「ラーメン二郎」は「ジロリアン」と呼ばれる固定客、固定ファンがいる。筆者の会社員時代の先輩にジロリアンがいて、当時よく会社近くの二郎に連れて行ってもらったものだった。筆者自身は「ラーメン二郎」は好きなのだが、生活動線上にある店舗はどこも混んでいて、行列を作っているので、長期にわたって訪問する機会を逸してしまっている。