母親は「リョウジをぶっ飛ばす党」の存在にショックを受け、すぐに学校に伝えた。学校も担任もそこでようやくグループの存在を把握し、クラス全員への聞き取り調査が開始された。子どもによっては1時間以上かかり、泣いてしまったり、授業中や給食時間に1人ずつ呼ばれるなどの異様な状況が続いたという。
「リョウジはまだ学校に通っていましたが、休み時間や授業中に1人ずつ呼ばれて、聞き取りが行われました。泣きじゃくる女子児童もいたそうで、息子に対して『リョウジのせいでこうなった』と言う子もいました。リョウジも『先生が知ったところで、何も良くならないじゃないか』と諦めのような発言が増え、『もう学校に行きたくない』と学校を休むようになりました」(同前)
調査後に学校側が出してきた提案は「クラスで話し合って謝罪させる。それしか学校ができることはない」というものだった。いわゆる「謝罪の会」だが保護者の立会はできず、「謝ったということになれば、息子はそれを受け入れるしかなくなる」と思い拒否をしたという。
「小学校の先生は信用できないのでちゃんとした私立に行きたいと思いました」
イジメについて担任から関係した児童の保護者に連絡があったが、「リョウジをぶっ飛ばす党」の存在については伝えられなかったという。
リョウジくんはその後も母親に送り迎えをしてもらうなどしてなんとか登校を続けたが、5年生の6月以降は下痢や腹痛を頻繁に訴えて登校できなくなった。
「勉強は塾ですればいいし、嫌な目にあってまで学校に行く意味がないと思っていました。わからないところはお父さんやお母さんに聞けばいいし、小学校の先生は信用できないのでちゃんとした別の私立の学校に行きたいと思いました」(リョウジくん)
しかし5年生の12月頃、イジメの調査なども影響したのか、主犯格だったAが転校していった。
