掲載された運動のプログラムは、ただ「開脚」のみに目標を絞りこんだもの。巻頭には担当編集者の熱烈な「開脚」への想いが綴られ、本のおよそ3分の2は小説が占めている……。そんな変わった本が、爆発的な勢いで大ヒット中だ。

「誰でもできる簡単な運動で開脚ができるようになったら面白い。そう考えて、なるべくシンプルなプログラムを先生に考案していただきました。しかし実際に開脚ができるようになるには、方法よりむしろやる気の問題が大きいんです。3日休むと体は元に戻ってしまうので、継続する気持ちをフォローしたかった。そこで、リアルな読者像に近い形でモチベーションの上がる内容を描けるのは小説だと考えたんです」(担当編集者の黒川精一さん)

 小説の登場人物は、とある専門商社の課長(40)、同じ部署の女性(32)、上司(45)、そして著者「Eiko先生」。具体的な開脚のノウハウを織り交ぜながら、仕事やプライベートに関する等身大の悩みが描かれる。

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「小説の内容は全部、Eiko先生が実際に教室で多くの人を教えて来られた中で見てきたこと、感じてきたことを元にして書かれています。実用書の中に小説が混ざる形式の本を作るのは初めてのことでしたが、おかげさまで読者の皆さんからも好評です」(黒川さん)

 見た目の新奇さで敬遠しては、人生を損しているかも。心を開いて、脚を開いて見てはいかがだろうか!?

2016年4月発売。初版8000部。現在31刷80万部