Cくんの遺体を、箱崎ふ頭で遺棄

〈7 Cの死体遺棄状況等

 被告人ら3名は、Aを除く家族3人を殺害した後、2階子供部屋のCの死体、1階浴室のBの死体及び1階居間のDの死体を、Aが倒れている玄関上がり口付近に集め、搬出する準備をし、Bの死体は全裸であったことから、タオルケット様の布に包んだ。
 

 この間、楊寧は、浴槽内の湯を抜いて、浴室内を洗浄するなどの罪証湮滅工作を行うとともに、A方1階廊下階段下のカバン掛けから持ち出したカメラケース様の青色ショルダーバッグの中に、破損したガラス片、強取に係る預金通帳約17冊、キャッシュカード数枚、Aのポーチ等を入れて、荷物を取りまとめ、いつでも持ち出せるように準備した。〉

 3人は王の部屋に立ち寄ってから遺棄現場に向かうため、Aさんの車を使用している。

現在のA家遺体遺棄現場(24年撮影)

〈その後、被告人は、玄関下駄箱上の籠の中から、ベンツのエンジンキーを取り出して、A方駐車スペースから、ベンツを路上に出して停めた。そして、楊寧及び王亮が、Cの死体を同車の後部座席に積み込み、被告人が運転席、王亮が助手席、楊寧が後部座席に乗り込み、同日午前2時50分ころ、A方前を出発した。なお、被告人らは、意識のあるAを、目隠し等を施すことなく、BやDの死体とともに、玄関上がり口に放置したままでいた。
 

 被告人らは、死体を遺棄するに当たり、ベンツのトランクを開けることができなかったことなどから、1回でA及びBらの死体3体を運ぶのは無理であり、途中、王亮方に立ち寄り、ダンベル等の重りを車に積み込む必要性があることなどを考慮し、2回に分けて遺棄することとした。
 

 被告人らは、同日午前3時過ぎころ、箱崎ふ頭において、Cの死体を岸壁に運び、Cの死体の左手首とダンベルを手錠で結束した上、同死体を同所から海中に投棄して遺棄した。〉

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 つまり、まずCくんの遺体だけが箱崎ふ頭から遺棄されたということだ。その際、妻と娘の遺体とともに、自宅玄関に緊縛された状態で残されたAさんの心情は、想像を絶する。