都道府県とその県庁所在地について教わるのは、小学校の何年生頃だっただろうか。基本的にこれはただの暗記物だから、四の五の言わずに“こういうものですよ”という感じで覚えるものだ。
で、きっとだいたいの人が気になったに違いない。県名と県庁所在地の都市名が、一致するところとしないところ。
いったいこの違いはどうしてなんですか?などとセンセイに質問をぶつけて困らせた……なんて人もいるのではなかろうか。
不一致例は実はそれほど多くない。多くはないのだが、いくつか例を挙げてみよう。たとえば北関東三県だ。茨城・栃木・群馬は県庁所在地が水戸市・宇都宮市・前橋市だ。また、大都市圏を抱く県では、神奈川県と兵庫県がそうだ。前者は横浜市、後者は神戸市が県庁所在地である。
……などと御託を並べながら地図を眺めていて気がついた。神奈川県の横浜市。ところが、その横浜市のターミナル・横浜駅のすぐ隣に「神奈川駅」があるではないか。これはいったいどういうことか。
京急線“ナゾの途中駅”「神奈川」には何がある?
横浜の中心部と神奈川という町が離れているならばまだしも、これではほとんど同じ場所。
となれば、神奈川県神奈川市が370万都市に、などという世界線もあったということなのか……。
小学生以来の難問がまたぞろ頭をもたげてきたところで、神奈川駅を訪れた。
