日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。

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財務省に潜む爆弾

 自民、公明両党が歴史的大敗を喫した参院選。待ち受けるのは、野党の言い分を吞まねば法案も予算案もまともに通らない、「いばらの道」(石破茂首相)の国会運営だ。自民党内からいささか破れかぶれ気味の「下野論」が上がるゆえんである。

 財務省が社会保障分野や税制に通じた新川浩嗣事務次官(昭和62年、旧大蔵省入省)、宇波弘貴主計局長(平成元年、同)、青木孝徳主税局長(同)、坂本基官房長(3年、同)をいずれも留任させたのは、今秋の臨時国会の荒波に備えた「野党対策」シフトでもあった。それでも「財政規律派の守護神」たる森山裕幹事長の神通力を失った先に待ち受けるのは、同省にとって悪夢以外の何物でもない「消費減税」を大合唱する衆参多数派の野党だ。「本当にそれでこの国が持つのか。現実問題として考えてほしい」。省幹部の声はポピュリズムの前にかき消されつつある。

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自民党の森山裕幹事長は「財政規律派の守護神」と言われていた ©文藝春秋

 秋の臨時国会に向け財務省が抱えるもう一つの「爆弾」が、同省始まって以来の不祥事となった「森友問題」だ。

黒塗りの文書を手に記者会見する、自殺した財務省近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻の代理人弁護士 ©時事通信社

 森友学園への国有地売却に関する公文書改竄問題を受け、同省は全体で17万ページ以上に及ぶ関連文書を約2カ月おきに開示中。理財局内には「森友文書チーム」が編成され、連日日夜に渡り、開示対象の文書チェックや「黒塗り」の必要性を角突き合わせて議論している。

 森友問題の事後対応に当たった経験を買われ、秋の臨時国会で野党による追及の正面に立つことを前提に今夏、沖縄振興開発金融公庫副理事長から呼び戻されたのが井口裕之理財局長(2年、同)である。前代未聞の公文書改竄の中心役を担った中村稔関東信越国税局長(元年、同)の後任として、問題発覚後に理財局総務課長を務めた。

 他方、官房長起用が取り沙汰されながら、関税局長に就任した寺岡光博氏(3年、同)の人事も、「森友文書」との関連で読み解く向きがある。

 オーソドックスな見方は、同期の坂本氏が官房長にとどまったため、寺岡氏を関税局長に昇格させ、数年後をめどに内政全般を横断して各省庁の司令塔役を担う内閣官房副長官補に充てる、というもの。ただ財務省筋は、この秋だけは寺岡氏を官房長に就かせられない事情があった、と話す。それこそが「森友問題」だ。

この続きでは、寺岡氏について財務省筋がコメントしています》

※本記事の全文(約5800文字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年9月号に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。

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出典元

文藝春秋

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