小6で側弯症の手術「身長が止まっても受けるしかなかった」
――小学校でも安心できる環境があったんですね。
星来 これも母のおかげなんですけど、母が事前に学校にお願いして、新1年生が入ってくる度に、「◯年生にいる星来さんは生まれつきの障害があるので、ぶつかったりすると大きな怪我になってしまうから気をつけてください」といったことを先生から説明をしてもらっていたんですね。
そのおかげで“特別扱い”について何か言われたこともなかったし、差別されたり嫌な思いをすることはなかったんです。
ただ、小学6年生の時に側弯症の手術をしてからは一気にできないことが増えてしまって、皆と一緒に行動ができないことはありましたね。
――側弯症も生まれつきだったのでしょうか。
星来 小学4年生ぐらいの時、母が私の肋骨が出っ張っていることに気づいて診察を受けたら、すでにかなり背骨が曲がっていることがわかって。
さっき確定診断の話をしましたけど、赤ちゃんの時にすぐに診断がついていたら側弯症も併発しやすいことはわかったはずなので、大きい手術をせずに済んだかもしれません。
私が生まれてから15年くらいの間で医学が進歩して、今では生後すぐに正確な診断名がおりるようになっていますが、そういう意味では、私ももうちょっと早く知りたかったな、というのはありますね。
――側弯症によって生活にも支障が出ていた?
星来 気づいた時にはもう手遅れぐらい、最終的には右に74度まで背骨が曲がったんですけど、急にぐわんと74度曲がったわけじゃなくて、ちょっとずつちょっとずつ右に曲がっていっていたので、正直痛みもなかったし、特に不便も感じてなかったんです。
――手術は、右に74度曲がってしまった背骨をまっすぐにする、ということですよね。
星来 そうです。曲がった背骨に金属をつなげて、まっすぐに固定する手術です。この手術は、金属を入れてまっすぐにすることとトレードオフで、背骨の成長を止めてしまうことになるんですね。
――胴部分の骨に金属を入れることで、その部分の骨の成長は諦めないといけないと……。選択の余地はあったんですか?
星来 このまま曲がり続けると更に手術も難しくなるということで、身長が止まっても手術を受けるしかない状況でしたね。
当時117センチだったんですけど、手術したことで曲がっていた背骨がまっすぐになって、3センチ身長が伸びました。でも、背骨の成長は止まってしまったので胴の長さは短いまま足だけが伸びて、最終的に123センチで成長が止まった、という感じです。

