「突然変異に当たると思います」

――改めて、「2型コラーゲン異常症」はどんな疾患ですか。

星来 「2型コラーゲン」に異常があることでさまざまな症状が出る、遺伝性の病気です。ただ私の場合、両親も親戚も私のような障害を持っていないので、突然変異に当たると思います。

 2型コラーゲンは目の硝子体や耳の内耳といった部位にかかわっているんですけど、それによって、白内障や網膜剥離の方がいたり、難聴で補聴器をつけている方もいます。重篤なケースでは生まれてすぐ亡くなってしまう場合もあり、人によって症状や重さは全然違います。

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 軽い方だと、自分の子どもが2型コラーゲン異常症と診断されてはじめて、自分も同じ障害だったと気づく方もいます。なので、平均よりちょっと背が低いだけ、みたいな方もいると思いますね。

 

幼稚園や小学校での温かい配慮

――幼稚園や小学校といった集団生活でも配慮が必要だった?

星来 幼稚園は、入園前の見学の時点で、「他の子と身体的な発達の差が生まれづらい年少までしか受け入れられない」と言われたり、「他の子と一緒のことができるならOK」みたいな、正直不可能な提示をされる施設もあったそうです。

 でも、いろいろ回って、ここなら大丈夫と思えるところを母が見つけてくれて。そこでは園内のトイレや手洗い場に踏み台を置いてもらったり、心配ならいつでも保護者が幼稚園に来て付き添いしてくれてもいい、みたいなかたちで配慮してもらっていました。

――星来さんの疾患について、他の園児も理解していた?

星来 「星来ちゃんはそういう子」という感じで、普通に受け入れられていたと思います。

 年齢的に障害についてちゃんと理解はできていなかったかもしれませんが、いったん“小さい星来ちゃん”と認識してしまえば、幼児だからこそ、逆にすんなり受け入れてくれたのかな、と。

幼稚園年長の頃の星来さん (本人提供)

――小学校でも星来さんが学びやすいかたちの対応があった?

星来 普通学級に進学したんですけど、重いランドセルは関節に負荷がかかるので途中からリュックで通学し、置き勉も許可してもらっていました。教室の中でも、皆より小さい机と小さい椅子、座高を上げるクッションと背中に置くクッションを使って授業を受けていましたね。

 プールの授業では1人だけ腕に付ける浮き輪を使って泳いだり、体育の授業も比較的参加できるものが多くて、バスケットボールの時は、私だけ低いところから投げるのでリングに当たればOKみたいに、先生もちょっとルールを変えてくれたりしていました。