くまちゃんゴッコから始まった
和哉 まずは2人の創作の原点は何かという話をしましょう。
千昭 ぬいぐるみのクマを使って、それを俳優のように動かして映画っぽいことを始めたのが始まりじゃない?
和哉 幼稚園ぐらいからですね。お互いにキャラクター、名前を付けて演じて、お話を作るという。
千昭 恐らくそれのモデルというのは『サンダーバード』とか。
和哉 そうね。スーパーメカを作って。
千昭 紙でね。
和哉 クマがそれに乗っていて、クマーク隊という、科特隊のように地球を守っている物語だった。
千昭 クマーク隊、60年ぶりに聞いた(笑)。
和哉 だから一番影響されたのは、ウルトラマンや怪獣映画じゃない? ウルトラの中でも僕は『ウルトラマン』派で、兄貴は『セブン』派だったけど。
千昭 で、私がゴジラ派で、君はガメラ派だった。
和哉 そうそう。その頃からハード路線と柔らかい路線みたいな違いがあった。
千昭 今となってはゴジラのどこがハードなんだと思うけど。
和哉 そうね。二人でクマちゃんゴッコをしながら、漫画も描き始めていたと思うんですけど。倉庫を探ったらこういう漫画が大量に出てきた(とマンガを取り出す)。
千昭 雑だよね。
和哉 わりと一緒に描いていたんだよね。途中まで描いたから、続きを描いて、みたいにバトンタッチして。
千昭 でしょうね。
和哉 思い返すと、お互いに読む人がいたというのはとっても大きなことだったんじゃない? 読んでくれる人がいるから描けた。たぶん1人だったら描かなかった。
千昭 そうだね。
和哉 8ミリを触る前に、まずこういう漫画でお話を作る作業を始めていた。
