知床財団のサイトでは、観光客がソーセージを与えたせいで、人間を怖がらなくなり、市街地に出没するようになったヒグマを射殺したエピソードを紹介している。1997年の出来事だという。
2000年代以降は、知床国立公園において、野生動物への餌やり禁止の啓発活動が行われ、観光客向けのカンバンなどの設置も進んだ。
2022年には自然公園法が改正され、国立公園・国定公園など特定地域等において、野生動物への餌やりや接近行為が禁止され、違反者には30万円の罰金が課されることになった。
こうした取り組みで餌やり行為は減少したとされるが、近年のインバウンドブームによって、外国人観光客が急増したことで、餌付け・餌やり行為が復活してきているという指摘がある。
外国人観光客は1年で1.5倍もの急増
知床国立公園内でクマに餌付けしたのも、外国人観光客だったのだろうか。
確かに、知床半島を訪れる外国人観光客の人数は、近年激増している。
環境省資料「2021年以降の国立公園の利用動向等について」によると、国立公園を訪れる外国人観光客の人数は、コロナ禍で落ち込んだものの増加傾向が顕著だ。
国立公園別の内訳を見ると、羅臼岳を含む知床国立公園を訪問する外国人観光客の人数は、令和5年(2023年)に1万8005人だったのが、令和6年(2024年)には2万7446人と、約1.5倍もの急増を見せている。
「現場任せ」の対応は限界に達している
また、キャンピングカーで知床を訪れる観光客が増えており、現地ではごみ処理の問題が浮上している。
知床財団の投稿によれば、ごみの不法投棄も目撃されていて、対応に追われているという。
富士山ではマナーを守らない外国人登山客が急増し、弾丸登山を強行した挙句、低体温症に陥り救助される事例が後を絶たない。そのため、午後2時から午前3時までの入山は原則禁止(山小屋を予約している場合は除く)という対策がとられた。事実上、日帰りの弾丸登山が不可能になったわけだ。