車弄りを趣味にする人たちのなかでも、「見せるためのカスタム」に傾倒する者の情熱には目を見張るものがある。“イベント展示”に心血を注ぐ、型破りなオーナーたちの素顔とは?

 今回は「第十一章 赤鬼富岡杯 生涯現役伝説」の出展者から、ヴェルファイアをカスタムする「ぱやっ」さんをご紹介。

医療系の職場に勤めながら、ヴェルファイアをカスタムする「ぱやっ」さん

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「生活を犠牲にしない」を前提に

 このヴェルファイアは8年ほど前、ファミリーカーとして買ったものなんです。ずっと息子がバスケをしているので、部活の送迎に大きな車が必要で。なので当時は、まったく弄るつもりはなかったんですよ。

昨年の同イベントでレディース部門のグランプリに輝いたヴェルファイア

 でも5年くらい前に、近くでアルヴェルのミーティングをやっていることを知り、「一体どんな集まりなんだろう」と興味が湧いて。ふらっとひとりで行ってみたら、派手なアルヴェルが並ぶ光景が刺激的で、その場で「自分もやってみたいな」と思ってしまったんです。

 それからすぐアルヴェルのチームに参加して、メンバーの方々にも手伝ってもらいながら、少しずつ仕上げてきたんですよ。去年はこのイベントでトロフィーまで頂けて、支えてくれた方々には感謝しかないですね。

インテリアはホワイトを基調にした上品な仕上がり

 カスタムにかけた費用は、あまり考えたくないですが……。大体、300万円くらいですかね。もちろん、弄って生活に支障が出てはいけないので、なるべく中古パーツを使いつつ、普段遣いもできるような形で弄っているんです。なので今でも、通勤や送迎に使っているんですよ。

 職場は医療関係ですが、やっぱり同僚から「これどうやって走るの?」なんて聞かれることもありますね。駐車中はエアサスでベタ下げしていることもあるので……。そこだけ見ると、とても走れるようには見えませんよね。

3列目を残しつつ、荷室いっぱいにオーディオスペースを確保。実用性とドレスアップ性を両立する

 ただエアサスで全上げしていても、気を遣う場面はありますね。とくに部活の送迎のときは、体格のいい男子を何人も乗せますから、どうしても車高は下がりますし。学校の校門なんかはヒヤヒヤしましたね。

 こういう車に乗っていると、よく「旦那さんが好きなんですか?」と聞かれるんですけど……。夫はそもそも車に興味がないですし、このヴェルファイアは私個人が手にかけている車なので、夫に結びつけてほしくはないんです。「私だよ、弄っているのは」と、声を大にして言いたいですね。

ガッシリとしたリアバンパーが巨大なボディに安定感を与える

 カスタムに関しても、夫は黙認という感じです。たぶん、何か言ったら空気が悪くなりかねないから、あえて触れずにいるのかもしれませんね。

職場の同僚からの関心は高く、仕事終わりの駐車場で内外装を披露することもあるという

 反対に、息子の方は車好きなんですよ。今は21歳の大学生ですが、たまに帰ってくるとヴェルファイアを見て「ここ弄ったでしょ」と気づいてくれたり。正直、髪型を変えたことに気づいてもらえるよりも、私としては嬉しいんですよね。

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