10日付埼玉は1面コラム「時の言葉」で事件を取り上げた。捜査は困難を来し、村民に不安が広がっているとして、事件の解明と類似犯罪の防止を訴えた。9月12日に開かれた県連合青年団大会は「県警の捜査を激励し、今後こうした事件が発生しないよう努力する」と申し合わせた。事件以後、夜間の青年団の集会は昼間に変更されるなど、地域に与えた影響は大きかった。

地域の不安を危惧する評論記事も(埼玉)

 8日付埼玉は「特に捜査本部が重視していること」として「肉、骨などの処理が巧みで、屠殺場に関係する中年男性という線を出している」とした。11日付埼玉読売の記事は「サンカの凶行説」が見出し。「サンカ(山窩)」は山岳地帯を住みかに狩猟採集で生活する漂泊的な小集団。記事は2人が捜査線上に浮かんでいるとしたが、山窩研究家の作家、三角寛は、埼玉県には約70人いるが、ほとんどが高齢者だとして「彼らじゃあないよ」と語っている。

ついには「迷宮入りか」

 この間、新聞紙面に次から次へと容疑者が浮上したが、全て「白(容疑なし)」とされた。凶器は見つからず、物証は犯行に使われたとみられる手ぬぐい程度。犯行現場も確定しないまま、いつか捜査は「足踏み状態」(9月10日付埼玉)、「全くナゾに包まる」(11日付埼玉)、「今のところ五里霧中」(30日付読売朝刊)などと書かれ、事件から1カ月の10月5日付埼玉には、ついに「果して迷宮入りか」の見出しが躍った。

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「捜査は足踏み状態」(埼玉)
ついに「迷宮入り」の文字が(埼玉)

 2カ月の11月5日、埼玉は「不眠不休の努力空し」と報道。ところが、事件捜査はそこから動き出す。

次の記事に続く 「女としての価値をなくしてやろう。死んでも動けなくしてやろう」見知らぬ19歳の少女を殺してバラバラにした自称画家(29)の“身勝手すぎる”犯行理由

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