日本の酷道を代表するといっても過言ではない国道157号の“落ちたら死ぬ!!”区間。
もちろん私は一度も落ちたことはないのだが、実際に落ちてみると谷底はどのようになっているのだろうか。気になった私は、実際に下りてみようと考えた。
高低差110メートルを下っていく
地図とにらめっこをしてみる。
国道と谷底を流れる根尾西谷川との高低差は、深いところで100メートルを超えている。国道と川は基本的に近いところを並行しているため、わずかな距離で100メートル以上の高さから下りないと、川にたどり着けないわけだ。地図を見ているだけで、なかなかに難しいことが分かる。
そんななかでも比較的等高線の密度が緩やかな地点に目をつけた。国道と川が50メートルほど離れており、そのぶん緩やかに下りられそうだ。といっても高低差が110メートルあるので、単純に計算すると平均勾配はおよそ65度ということになる。
仕事や趣味で登山や渡河の経験が豊富な酷道の仲間を集め、ロープを持って現地に向かった。
実際に現場を見ると、思っていたよりも勾配は緩やかで、ロープがなくても下りられそうだった。
まずは行けるところまで行ってみようと思い、ロープは使わず徒歩で斜面を下り始めた。



