日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。

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ゼンショー二代目の力量

 国内外食最大手のゼンショーホールディングスが曲がり角に立っている

 東大の全共闘闘士で「世界革命」を志した小川賢太郎氏が資本主義の世界に飛び込み、1982年に創業。果敢なM&A戦略などで、現在では「すき家」や「はま寿司」、「ココス」など世界で1万5000店を超えるグループとなった。深夜の過重労働問題や労働組合との団交拒否による“転向”も話題を呼んだが、ベンチプレスで100キロ以上を上げるのを日課とした小川氏のカリスマ性が“王国”を築いたことは論を俟たない。

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ゼンショーHDの創業者で代表取締役会長の小川賢太郎氏はカリスマ性で“王国”を築いた ©時事通信社

 そんな同社の歴史的転換点となったのが、今年6月の社長交代だ。後任は46歳の次男・洋平氏。元財務官僚で、2016年に経営戦略室長として入社した。18年から海外テイクアウトすし事業の責任者を務めるなど、手薄だった海外戦略の旗振り役も担う。賢太郎氏は代表取締役会長となり、CEO職も洋平氏に譲った。齢77の賢太郎氏にとって後戻りする可能性の少ないサクセッションプランと考えていい。

 だが同社を巡る環境は厳しい。今年1月から3月、すき家の店舗でネズミやゴキブリなどが商品に混入したが、対応は後手に。全店一斉休業や24時間営業取りやめなどの影響で、25年4~6月期は前年同期比で約9%の営業減益に。

 活路を求める海外では、今年度からの3年間で国内の3倍弱にあたる3000店を新規出店するとぶち上げた。ただ、先行する「丸亀製麺」のトリドールホールディングス(粟田貴也社長)などと比べ、店舗運営やローカライズ(現地化)などの面で劣るとの見方も。

この続きでは、洋平氏が率いるゼンショーの現状を分析しています〉

※本記事の全文(約5300字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年10月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。全文では、下記の内容もお読みいただけます。


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