体重は今より15キロ増、メイクもオシャレも全く興味なく、“陰キャ”の高校時代を送っていたウイッグクリエイター兼会社員のふーさん(27)。大学進学で上京し、ダイエットとメイクに挑戦。そし子供の頃からの憧れだったディズニープリンセスの仮装も始めた。そんなふーさんを変えたきっかけを詳しく聞いた。(全2回の1回目/続きを読む

学生時代のふーさん

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ファッションやメイクに興味がない陰キャの高校時代

――初めてディズニープリンセスの仮装をしたのはいつだったんですか?

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ふー 小さい頃にドレスを着たことはありましたが、本格的な仮装を始めたのは大学生の時です。それまではほとんどメイクをしたことがなかったです。

――高校時代はファッションやメイクに興味がなかったんですよね。

ふー そうですね。クラスでもあまり前に出るタイプではなく、美術系のオタクって感じでした。どちらかと言うと陰キャですね。

「アナと雪の女王」のアナの仮装( fuji📷さん撮影)@fuj1photo

 スカートは膝より下の丈でしたし、田舎だったので学校帰りにプリクラを撮るみたいなのもあまりなくて。友達と出かける時もすっぴんでした。

 人前でブラシで髪の毛を梳かすのとかも全くできませんでした。今より15キロくらい太っていたのもあって、自分の容姿にまったく自信がなかったんです。

モデルみたいにキラキラした母に「全く似てないね」と言われて

――容姿について周りから何か言われたこともあったんですか。

ふー 小学校の頃、同級生に「お母さんに全く似てないね」って言われたことがあって。自分で言うのもなんですが、母はモデルさんみたいに綺麗で、美意識も高くて、キラキラしていたんです。学校でいうと一軍みたいな。

 私は昔から母が憧れで、学校の友達に「今日の授業参観、私のお母さん来るんだよね」って自慢していたんです。周りの子も「ふーちゃんのお母さん、すごく綺麗!」って言ってくれたんですけど、それと同時に「ふーちゃんに全然似てないね」って言われちゃって。弟がいるんですけど、弟は母に似て美形なんです。そういうのもあって、「あ、私は母とは違うんだ」とグサっときてしまって。

ふーさん ©︎細田忠/文藝春秋

 同級生はきっと何の意味もなく言った言葉だったと思うんですけど、私の中では結構響いてしまって。

――それで自信をなくしてしまったと。

ふー そうですね。母も私にかわいい洋服を着せてくれたり、髪の毛を可愛く結んでくれたり、おしゃれに興味を持つように頑張ってくれたんですけど、私はドライヤーで髪を乾かすのもめんどくさいくらいでいつもボサボサでした。

 クラスの中でブラシで髪の毛を梳かす子とかリップクリームを塗る子とかを見ても、自分とは違うなと思っていました。