来る日も来る日もセブン‐イレブンのおにぎりを食べ続け、10年で5000個以上を完食。さらに包装の商品ラベルやシールを保存するノートも作成し、これまで約4000枚も集めた人物がいる。

 大阪市の印刷会社でグラフィックデザイナーをしている高下龍司さん(49歳)だ。

 もともとは「節約」で始めたおにぎり生活だったが、今「価格高騰」により危機に瀕している。ここ10年のコンビニおにぎりにおける価格の変化と今後について、高下さんに聞いた。

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(以下、本文中の商品価格は高下さんが在住している近畿エリアに準ずる。また、高下さん提供の画像は近畿エリアの商品で、筆者撮影の画像は関東エリアの商品)

10年にわたってセブンのおにぎりを食べ続けている高下さんに、コメ高騰の影響を聞いた 高下さん提供

「海老マヨ」は10年足らずで約2倍の価格に

「200円以上のおにぎりに一瞬ためらいますね。高いのを買ったら、もう1個は安いのにしてバランスを取るようになりました」

 コンビニおにぎりの度重なる値上げについて、高下さんはそう話す。大幅値上げの理由は第一が「米の高騰」、さらに「のりの高騰」も大きいとされる。

 その中でも、値上げ幅が比較的少ないおにぎりはないのだろうか?

「保存している過去の商品シールを振り返ったんですけど、どれも大きく値上げしていますね……唯一頑張っているのが『塩むすび』。2017年は100円で、現時点で145円なので、まだ値上げ幅が少ないほうです」

実は2024年の一時期までは100円(税込108円)だった塩むすび。この後一気に値上げしたが、まだ145円と相対的に手ごろな価格を維持する 筆者撮影

「逆に、8年前に110円だった『ツナマヨネーズ』は3円、5円と少しずつ上がり、それが今年に入ってからはどんどん上がって、今や税込178.20円になりました」

定番のツナマヨも値上げが著しい。必ず2個のうち1個はマヨネーズ系のおにぎりを選ぶ高下さんにとっては大打撃だ 筆者撮影

 定番商品の税込価格を2016年7月時点と現在で比べると、それぞれ次のように上がっている。

海老マヨネーズ(110円→210.60円)

塩むすび(100円→145.80円)

ツナマヨネーズ(110円→178.20円)

炭火焼紅しゃけ(140円→213.84円)

具たっぷり辛子明太子(140円→213.84円)

 なんと、海老マヨネーズに至っては約2倍だ。その間、高下さんの賃金はどれだけ上がったか。

「たぶん、10年で月1万~2万円上がったかどうかぐらいです」