西武ドームでビール売り子の仕事を開始→「えっ、めっちゃいい仕事じゃん!」と感じたワケ
――売り子さんって下積みのときはビールじゃなくソフトドリンクを売ると聞くんですけど、伊藤さんはどうでしたか?
伊藤 東京ドームはいきなり新人がビールを売ることはないんですけど、西武ドームはいきなりビールを売れるんですよ。友達もいきなりビールでした。友達と一緒のバイトだし、野球も無料で見られるし「えっ、めっちゃいい仕事じゃん!」って感じでした。
――東京ドームと西武ドームでは売り子のルールも違うんですね。
伊藤 違いますね。東京ドームは売り子が売れる場所が決まっているんですが、西武ドームは移動してどこへ売りに行ってもいいんです。私はホームの三塁側で売っていたんですけど、行っちゃえと一塁側でも売っていました。
たまに外野にも売りに行ってました。売り子は外野にあまり行かないので、ビールが飲めなくて、もう喉カラカラみたいな人たちが待ってるんですよ。だから「喉を潤しに行ってあげるか」みたいな感じで行ってました(笑)。
「西武ドームはネイルもオッケーだし、髪型も自由だった」
――上から目線(笑)。売っていたのはどこのメーカーのビールだったんですか?
伊藤 西武ドームではヱビスビールです。ほかのビールよりヱビスビールのカップはちょっとちっちゃいんですよ。それでお客さんに「他よりもカップがちっちゃいじゃねえか」とかめっちゃ言われましたね。「いや、知らねえし」とか思ってましたけど(笑)。
――まさにギャルの思考(笑)。売り子時代も金髪だったんですか。
伊藤 最初は金髪だったんですけど、全然売れなくて、それで茶髪にしました。西武ドームはネイルもオッケーだし、髪型も自由で。とにかくビールが売れればいいという感じでめっちゃ自由でした。
あと西武ドームは、その日の気分で売り子の仕事に行くかどうか決められるんです。高校で授業を受けている時にダルいなと思ったら、「ごめんなさい、今日は行かないっす」とメールを送れば働かなくて大丈夫だし、逆に働きたいと思い立ったら行けば働けたので。東京ドームは事前に働く日が決まっているので、そういうことはできなかったんですけど。

