やっぱり笑えるものがいい

――人間の感情の中で「笑い」というものに対して信頼を置いているからでしょうか。

藤井 僕自身は別にいわゆるのお笑い好きとかともちょっと違うので。でも、やっぱり笑えるものがいいなとは思っているし。何なんですかね。予想外のことが起きるのはすごく好きなので、「=笑い」じゃなかったりもするけど、「=笑いが起きやすい」でもあるじゃないですか。

『大脱出2』での、閉じ込められていた部屋が実は吊られてましたってシーンだって、ホラー映画だったら恐怖の瞬間になるかもしれないけど、この気持ちで見ているからゲラゲラ笑って見られる。部屋が傾くことも、それって笑えることなのかと言われると、本来はどう取ってもいいはずですよね。

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――気の毒と思うかもしれないし。

藤井 怖いと思うかもしれない。でも笑って見てほしいし、僕は面白いことだなと思っているし、そう思わせたいなというのはあるかもしれないですね。

 

――笑って、で、後で真実に気が付いたほうが心に残りそうですよね。

藤井 そういうことですよね。部屋が傾いて家のものがしっちゃかめっちゃかになるって、本人は悲劇だけど、他人から見たら面白いっていう。

――それ、藤井さんの本質みたいなことなのでしょうか。

藤井 そうかもしれないですね。なるべく、なんでも笑える世の中ではあってほしいかも。

会社員であることに不自由さは今のところ感じていない

――以前インタビューさせてもらった時に、藤井さんは会社員であることにこだわっているというお話をされていましたが、そのお気持ちは今もあまり変わってはいないですか?

藤井 どうなんですかね。あんまり意識もしてないですけど、今のところ辞めようとも別に思ってないし。両面ある気はします。別に会社員は嫌いじゃないし。

――当時より、だいぶご出世もされて。

藤井 いえいえ、何もやっていることは変わってないですから。別に関係ないです。そういう意味ではずっと同じことをしています。番組を作っているだけなので。

――「フリーにならないんですか?」って聞かれないですか。

藤井 別にどっちでもいいという感じですかね。

――やりたいことができれば?

藤井 そうですね。会社員でいることによって自分の何かの妨げになるんだったらあれですけど、別に会社員であることに不自由さを今のところ感じていないので。

――勝手なイメージなんですけど、藤井さんはあまり先輩にかわいがってもらうみたいなイメージもないですし、かといって後輩をまとめて面倒見るみたいな感じでもない、合っていますかね……?

藤井 それで合っていると思います(笑)。

――「みんなで飲みに行くぞ!」みたいなことはないですか。

藤井 まずもってそんな時間がないんですよね。外食とか全然してない。食事は基本会社の中なので。