太っちょで丸いほうが自分の性格には合っているけれど…

――若き日の姿が頭によぎったりすることは。

彦摩呂 あのころはカッコつけたりしてたけど、正直なところ「自分っぽくないな」と感じてたんですよね。太っちょで丸い、ゆるキャラっぽいほうが自分の性格に合ってるんですよ。

 シュッとしてたときは、気を使われることに気を使っちゃって。メイクさんが何回も来るんですよ。粉をはたきに。髪の毛もバーッて、クシとかで1本ずつ直されるし。「なんだか、申し訳ないな」って思ってましたもん。

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――体が大きくなったことで、飛行機や新幹線の座席などで困ったりは。

彦摩呂 悲鳴を上げたのはただひとつ、膝。変形性膝関節症で軟骨がすり減ってしまって。

 もう15年ぐらい痛くて、いつか手術しないといけないんです。近々しようかなと思うぐらいで。手術をやった人は、みんな口をそろえて「ラクになる」っていうから。

 ショックだったのは、座っていたパイプ椅子が壊れたことですね。

 8年ぐらい前かな。パイプ椅子にもたれたら、後ろにスーッと。「あ、このパイプ椅子ってリクライニングなんや」と思って、グーッといったら、溶接がバチンと外れて後にバタンって倒れてしまって。

 

――8年前というと51歳。何キロぐらいだったのですか。

彦摩呂 130キロくらいあったんちゃいますか。とにかくショックでした。

 あと、太りたてのころは、よく人とぶつかってました。自分の車幅がわからへんねん。太っても、センサーは痩せてるときのままなので、ぶつかっちゃう。あと、内輪差もわからんかったりするから、角を曲がるときに壁にぶつかったり。

――歩いていて、ゼーゼーしたりは。

彦摩呂 それもあります。ワンちゃんを散歩に連れていっても、心配して振り向いて止まる。ワンちゃんよりもハーハーいうてるから、「大丈夫? お父さん」みたいな顔して待ってくれるんです。

テレビのダイエット企画はお断り「えげつないスピードでリバウンドするので」

――ダイエット中なので、プライベートの食事も。

彦摩呂 家ではグリーン活動と言いまして、野菜を中心に。ロケは大体茶色なんですよ。だから、家では野菜を中心に食べようと思って。

――2006年にテレビ番組の企画で、1カ月で5キロ減量に成功しています。どこか痩せたい気持ちがあって、出演したのでしょうか。

彦摩呂 なにかしら危機感があったんでしょうね。でも、終了後にリバウンドして、数カ月後には元の体形に戻っちゃいましたね。そのころは、まだ82キロだったんですけど。

 いまはダイエット企画の依頼が来ても一切お断りしてるんですよ。やると絶対に痩せるけど、企画が終わった次の日からカメラさんはいない、トレーナーさんはいない、普通の食生活に戻る。さらにダイエットするからと、止めていたグルメリポーターの仕事が怒涛のようにやってくる。えげつないスピードでリバウンドするんです。テレビでダイエットをやっちゃうと、その反動がすごい。ダイエットをやる前よりも太るので、お断りしていて。それなら、自分のペースでちょっとずつ痩せようと思って。