「近年は『何を不満に思うか』が多様化しています。私の経験でも、部屋にゴキブリが1匹出ただけで引っ越した人を知っています。他の人が『そんなことで』と思うことでも、深刻に捉える人はいるのです」

内見もできなかった男性がはまった「落とし穴」

実際にCHINTAI安心パックを利用した人をもう一人紹介しよう。

東京都内に住む会社員の中根さん(30代男性)は、建物の老朽化を理由に神奈川県相模原市のシェアハウスからの退去を求められていた。告知から退去まで時間があったものの、居心地の良さや仕事の忙しさで部屋探しをつい先延ばしにしてしまい、気づけば退去日が目前に迫っていた。

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急いで不動産サイトで探し始めたが、時期は3月。新生活を控えた人たちの部屋探しが集中していたため、希望条件に合う物件を見つけるのは困難だった。

何とか希望としていた駅近の物件を探し出したが、入居者が居住中だったため内見ができず、やむなく「部屋を見ないまま」契約した。

友人に手伝ってもらい引越しができたのもつかの間、中根さんは入居後すぐに違和感を抱いた。新しい部屋は約20平米で、16平米だった前の部屋よりも数値上は部屋が広いはずが、どうも荷物の納まりが悪いのだ。

部屋は広いが収納がほとんどない物件だった

それもそのはず、新しい部屋は収納がほとんどなかったのだ。多趣味で物を捨てられない性分の中根さんは、大谷翔平の直筆サインボールなどのコレクションを飾るスペースがどうしても必要だった。床に物を置かざるをえず、積み上がった段ボールが生活動線を悪化させた。部屋の収納不足に対して中根さんは強いストレスを感じ、引越し当日に転居を決意した。

その時に思い出したのが、不動産仲介の店頭で見た「安心パック」のポップだった。賃貸物件の契約開始日までであれば加入できることを知り、慌てて30万円が補助されるプランを申し込んだ。

引越しにかかった費用は1回目が25万円、2回目が約40万円だったが、安心パックで30万円の補助を受けられたため、結果として2回目の自己負担を10万円前後に抑えられた。