だからこそ、契約前の内見を丁寧に行うことが欠かせない。CHINTAIの中山さんも「内見は一度だけでなく、時間帯を変えて二度ほど行うのが望ましい」と語る。昼間の明るさや日当たりだけでなく、夜の騒音や街の雰囲気は暮らしてみなければわかりにくい。二度の内見を重ねれば、後悔する可能性をぐっと減らせる。

ゴミ捨て場は「住民の質」を知る貴重なポイント

たとえば、便利だと思って選んだコンビニ近くの物件が夜には若者のたまり場になっていた、大通りから離れて静かに見えた住宅街が、街灯の少なさから夜歩く際に不安になるほど暗かった、といったケースはある。

隣人の生活習慣を内見で把握するのは難しいものの、「この物件に住んだら、どんな暮らしを送るか」を想像することはできる。また、共用部の掲示板や清掃状況を見れば管理の質を推し量れるほか、ごみ捨てや駐輪マナーを見れば、「住民の質」も予想できる。ぜひともチェックしたいポイントだ。

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安心パックは「もしものときの備え」として暮らしを支えてくれる。しかし頼り切るのではなく、事前の工夫で失敗を減らすことは大切だ。備えと予防、その両方があってこそ、納得のいく住まい選びにつながる。

薗部 雄一(そのべ・ゆういち)
ライター
1984年生まれ。神奈川県綾瀬市出身。語学系専門学校でスペイン語を専攻後、貿易会社にて輸出入通関営業を担当。不動産仲介会社に転職し、国内マーケットレポートや販促物制作を担当した。2015年7月から個人でライティングを始め、グルメ、働き方、時事ネタ、不動産、育児、イベントレポートなど幅広いテーマで記事を執筆。
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