賃貸物件の部屋探しで失敗しないためにはどうすればいいのか。後悔を減らす画期的なサービスを始めた不動産情報サイト事業者を、ライターの薗部雄一さんが取材した――。
内見だけでは見抜けない「隣人ガチャ」
新しい賃貸物件に引越しをしたものの「思っていたのと違う」と困った経験はないだろうか。契約前に内見をするのが一般的だが、短い時間で住み心地を完全に知ることは難しい。そのため、暮らし始めてから思わぬギャップに気づくことも少なくない。しかも多くの賃貸契約には短期解約の違約金が設けられており、不満を抱えながらも住み続ける人は多い。
最近では、隣人の当たり外れをカプセルトイに例えた「隣人ガチャ」なる言葉まで登場している。生活音や騒音であれば、管理会社に掛け合う方法もあるが、直接注意すると無用なトラブルを生みかねない。良好な関係を築ける隣人であるかどうかは穏やかな生活を送るにあたり不可欠な要素の一つだ。
隣人の騒音に悩む女性を救った「お守り」
愛知県在住の会社員・松葉さん(20代女性)は、暮らしていた物件で隣室の話し声に悩まされ、入居して間もなく解約、違約金を支払った苦い経験がある。学生の多いエリアだったため、夕方から夜にかけて友人を招いた飲み会などの声が響き渡り、リモートワークで在宅時間の長い松葉さんには大きな負担となった。ノイズキャンセリングイヤホンで対処を試みたものの、期待する効果は得られなかった。
次の転居先選びでは角部屋を第一候補とし、間取りもリビング同士が隣接し生活音が伝わりやすい物件は避けるなど、細かくチェックした。とはいえ、本当に暮らしやすいかどうかは住んでみないとわからない。「また騒音で悩むのではないか」という不安は拭えなかった。
松葉さんの悪い予感は的中した。できる手立ては尽くしたものの、再び隣室の騒音に悩まされることになった。ひどい時には午前4時ごろまで音が漏れ伝わり、睡眠にも支障をきたすようになった。
