なにやら古風な商店街が

 玉川通りの西側に細長く並ぶ高島屋。そのさらに西側まで足を伸ばすと、そこは駅前の雰囲気とはうってかわって、いわばありふれた郊外の住宅地といった雰囲気に移ろう。

 

 都営アパートもあれば、公団住宅を真新しく建て直したマンション群もある。古い一戸建ての住宅がひしめく一角もあるし、その中には小学校もあった。

 

 そうした町の中を南北に貫いているのが、二子玉川商店街だ。

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 小学校の目の前を通り、昔ながらの商店がまだ残っているこの商店街は、ちょうど昔の大山道に該当する。古からの二子玉川の中心地、といったところだろう。

 
 

 そんな商店街の南側で、東西に交わる道がある。その名も「花みず木通り」という、なんだかオシャレなニコタマ感を漂わせるネーミング。

 ところが、この花みず木通り、なかなかの由来を持っている道なのだ。

レールの跡がそこかしこに

 花みず木通りはかつての東急砧線の廃線跡を利用して整備された道だという。

 

 ところどころに中耕地駅跡の碑があったり、レールが埋め込まれていたりして廃線跡であることに気がつかされる。

 

 が、意識して見ない限りは何の変哲もない町中の一本の道。こんな町中に電車が走っていたなんて、まったく想像も及ばない。

 東急砧線は1924年に玉川電気鉄道の路線として開業した。