元NMB48の清水里香さん(27)は、前歴にあたる“前世”を様々に持つアイドルだ。現在は、アイドル“4周目”として汗を流し、アイドルグループ「One Last Bloom」のリーダーとしてステージに立つ。
経歴をたどると、その歩みはひじょうに濃い。子役からライブアイドル、メジャーアイドルへ。卒業後、みずからグループをプロデュースしながらも道半ばであきらめかけ、再び、メンバーとして生きようと思った波乱万丈のいきさつとは。志半ばで訪れたNMB48からの卒業、そして、グループのプロデュースへと乗り出した人生の転機までを追った。(全3回の2回目/3回目に続く)
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20歳で病気発覚→医者から「命はもう長くないかもしれない」と…
――約5年の活動を経て、2021年6月にNMB48を卒業しました。理由は、すい臓の病気だったそうですね。
清水里香(以下、清水) はい。20歳の頃に握手会で急に倒れて、病院で検査したら「すい臓に異常がある」と診断を受けたんです。命はもう長くないかもしれないと言われて、その場で一生ぶんは泣きました。
でも、卒業までずっとメンバーやファンのみなさんには「体調不良」とだけ伝えていました。病気発覚からグループ卒業までは入退院を繰り返して、入院中は過去に撮った写真をSNSにアップして、隠していたんです。
当時は、低血糖になりやすく、点滴の影響で顔がパンパンになっていた時期もあるから、活動がままならなくて。それでも「いつか私が亡くなったとき、笑顔を思い出してもらえるなら」と笑顔でいることを心がけてました。
――今はもう、治ったんですか?
清水 いえ、完全に治ったわけではないです。すい臓に圧迫されていた臓器が悪いままですし、毎月、病院で血液検査を受けています。でも、日常に支障はないので、アイドルの仕事を続けていても問題はないです。
「普通の女の子としての青春を味わっていなかった」NMB48卒業を決めた理由
――病気を理由に、NMB48から卒業したのは苦渋の決断だったと思います。
清水 すごく悔しかったです。真面目にアイドルをやっていたし、「このまま終わるのは嫌だ」と思いました。でも、病気が発覚してから親と将来を話し合う機会があって、母がふと「花嫁姿が見たい」と言ってくれたんです。たしかに、普通の女の子としての青春を味わっていなかったなと思って。
子役をきっかけに3歳から芸能活動を続けてきて、その世界だけで人生を終えるのも違うと思って、卒業を決めました。
――では、2021年6月15日の卒業セレモニーでは、覚悟が決まっていたんですね。
清水 はい。家族も見に来てくれたステージでは「いい形で終わりたい」という一心でした。身体はボロボロでしたけど「明日どうなるか分からないなら、今日を全力でやり切ろう」と思っていました。




