ギャルらしい長い爪は「短くしてほしい」と言われていたが……

――職人の世界は男性が多いイメージですが、らんさんの職場はどうでしょうか。

らん 20人くらい社員がいて、女性の職人は私だけです。年齢は30歳前後の方が多くて。私と一番近い歳の人でも、10個は上ですね。

――職場の方とはどんな話をしているのでしょうか?

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らん あんまり意識したことはないですが、仕事の話をすることが多いかもしれません。プライベートのことは「モデルやってるんだって?」と聞かれたことはあるけど「そうですね」と返事をしたくらい。その感じも、気楽で居心地がいいなって思っています。

――男性社会だからこその、大変さを感じる場面はありますか?

らん 現場に女子トイレが少ないことですかね。クーラーが付いていない現場がほとんどなので、夏場は特に困ります。暑いからたくさん水分をとらなきゃいけないのに、とりすぎるとトイレに行きたくなるから、どうしようって。皆さん優しくしてくださいますし、困っていることといったら、それくらいかもしれません。あ、あとお昼は一緒に食べることがあるんですけど、皆さん食べるのがめちゃくちゃ速いです(笑)。

――長いネイルをされていますが、仕事のときはどうしているのでしょうか?

らん 仕事のときもこのままです。実は、面接の時に「仕事の邪魔になるかもしれないから、爪は短くしてほしい」と言われたんですよ。なので、最初の頃は地爪をちょっと伸ばすくらいの長さにしていました。でも、それを少しずつ伸ばしていって……。

 そしたら、意外と長い爪のままでも作業できるって分かったんですよね。最初は周りの人達も心配そうに見ていたんですけど、今ではこの姿が当たり前になったのか、何も言われなくなりました(笑)。ちなみに、今日のネイルはネイルチップ1.5枚分くらいなんですけど、長いときは3枚分くらいの長さで出勤していることもあります。

この日のネイルは「1.5枚」。多い時には、この倍の長さで現場仕事に出ることもある ©平松市聖/文藝春秋

――まさに実力で証明したのですね。

らん でも、仕事中に折れてしまうことはありますね。ネイルを付け替えるのは月に1回と決めているので、そういうときは次の付け替えまで我慢するか、瞬間接着剤でくっつけてしのいでいます。