ナゾの貨物線は何を運んでいたのか

 田浦駅北側の貨物線は、1943年に敷設されたものだ。

 田浦駅が開業したのはそれよりもだいぶ前の1904年のこと。海軍の水雷術練習所(のちの水雷学校)などの利便性を高めるために開業したのだろう。

 

 田浦駅の開業以後、駅の北側の長浦湾に面するエリアは海軍の町として発展してゆく。

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 そして、この地域の輸送の便を向上させるべく貨物線が設けられたというわけだ。

 終戦後は米軍に接収され、長浦湾の岸壁で陸揚げされていたジェット燃料(横田基地まで運ばれていたとか!)や倉庫の飼料の輸送を担うことになる。

 

 そうした輸送は1998年まで続けられていたというから、案外最近まで田浦駅の北側には貨物列車が行き交っていたのである。

かつては田浦駅もターミナルだった

 いまではすっかりトンネルに挟まれた小駅になった田浦駅も、貨物線が現役だった頃には輸送拠点として活躍していた。ホームの北側には留置線を持ち、機関車などが置かれていたという。

 

 いまの田浦駅北口には大きなマンションが建っている。きっと、そのあたりにかつての貨物線のためのスペースがあったに違いない。

 

 そしてもうひとつ、田浦駅のホームからも分かる貨物線の痕跡が、トンネルだ。