海上自衛隊から転職したマッチョ人材に話を聞くと……

丹羽 普通の職場環境で2時間おきに何か食べていたら、「めっちゃ腹減るじゃん」「また食事休憩?」みたいに思われてしまいますよね。そういうことを言うのではなく、むしろ「頑張って」とか、「筋分解するから食べなよ」と自然に声をかける環境こそがマッチョにとっての楽園だと思うので、そんな文化の会社にしたいですね。

 社内に理解は浸透していて、プロテインやシェーカーはもちろん、増量期には炊飯器を持ち込んで出勤する選手がいても、うちでは誰も何も言いませんから。たまに冷蔵庫を鶏胸肉とかで占領しすぎて怒られる選手はいますけど(笑)。 

――周囲の理解はマッチョ人材の採用を始めた当初から得られていたんでしょうか?

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丹羽 「なぜ彼らだけ待遇がいいのか」と声が上がったことはあります。ただ返事は簡単で、「じゃあ君もやればいいじゃん」という話なんですよ。条件に合う人なら誰でも受けられる福利厚生ですから。それを聞いて目指す人もいるし、「自分には無理だ」と諦める人もいます。

 毎日2時間トレーニングして、食事制限して、大会に出て勝ってこいと言われるのは「本当に大変だよ」と伝えると、徐々にみんなが理解して応援してくれるようになりますね。

――実業団選手として活動する社員の方にもお聞きします。立見さんは元海上自衛隊員で、現在は実業団の7SEASに所属されています。まずは、ビジョナリーに転職された経緯を教えてください。

立見北斗さん(以下、立見) 海上自衛官としては7年間勤務していました。前職でマッチョの先輩に憧れたことをきっかけにジム通いをはじめ、大会にも参加するようになりましたが、当時はなかなか勝てなくて。海上自衛官の仕事は船に乗る時間が長く、筋トレの時間が取れませんし、1日に摂取できる食事も限られます。

 大会に出て勝ちたいという気持ちが強くなったので、もっと上を目指せる環境に身を置こうと、フィットネス実業団のあるビジョナリーに転職しました。

一生懸命にトレーニングせずとも成長する、驚異の大胸筋を持つ立見さん

――介護業界の経験は全くなかったわけですよね。実際に働いてみていかがですか?

立見 利用者様やご家族からも感謝の言葉を受け取ることが多いですね。この仕事を通じて、介護が必要なのは高齢者だけでなく、障害のある方も同じなのだと知りました。自分が好きで鍛えていた筋肉が現場で役に立ち、社会貢献になっていると実感できるのは、やりがいがあると感じています。