2025年7月、マッチョ人材を対象とした企業向けの「ドラフト会議」が立ち上がった。介護事業を展開し“日本一マッチョが多い介護の会社”として知られるビジョナリー(名古屋市)が中心となり、個々の筋肉美を競う場であるフィットネスコンテストを、企業の新たな人材獲得の場とする取り組みだ。
介護、警備、アパレル、飲食など多業種の企業が参画し、出場選手の筋肉や雰囲気、表現力などを見て、採用したい人材を指名する。指名が重複した場合は抽選を行うなど、プロ野球選手のドラフト会議的な形式を採用し、初年度は6人のマッチングが成立した。どんなマッチョが人気だったのか。立ち上げの経緯などと合わせて、ビジョナリーの丹羽悠介社長に話を聞いた。(全3回の3回目/最初から読む)
◆◆◆
野球のドラフト会議さながら、指名競合の場合は抽選も
――2025年7月に、マッチョ人材を各社がスカウトする「ドラフトトライアウトクラス」が開催されました。フィットネスコンテストと企業の人材獲得を組み合わせた取り組みですが、どのような経緯で生まれたのでしょうか?
丹羽悠介さん(以下、丹羽) 僕自身が「ビジョナリーにマッチョ採用を取り入れて良かった」と本気で思っていることが前提としてあります。
採用数や応募数が増えただけでも何千万円分の価値があり、社内の雰囲気などにも良い影響が生まれた。こんなに良いことずくめのマッチョ採用を自社だけにとどめておくのはもったいない。ほかの企業にもすすめたいという思いから企画しました。
――「ドラフト」とありますが、仕組みは野球のドラフト会議のイメージですか?
丹羽 まさに、野球のドラフト会議をイメージしました。会場には筋肉が評価される会社へ転職・就職したいと考えている選手と、マッチョ人材を採用したい企業が集まります。
参加選手はステージに上がり筋肉をアピールする。それを見た企業は指名したい選手を選択する。選手指名が競合したら、抽選となり、当たりを引いた企業が選手との入社交渉権を獲得するという流れです。
