「高学歴マッチョ」が登場すると、企業の目の色が変わる
――初開催となった今年はビジョナリーを含めて7社が参加したそうですね。それだけ、マッチョ人材を獲得したいというニーズを持つ企業が多いということですか?
丹羽 よく「マッチョ人材を採用したい」と相談されるのですが、「どう見つけたらいいのかわからない」という声が多くて。当社では私やマッチョ人材がSNSで気になる選手を探してスカウトをしているので、「大会とかでスカウトすればいいじゃん」と返してましたが、みなさん「マッチョのどこを見ればいいのかわからない」とおっしゃるんです。
だったら、自分の身体を評価してくれる会社で働きたいと考えるマッチョたちが集まる大会を作ればいいかと。ドラフト形式なら、順位もつくから「あのマッチョは良いマッチョなんだ」というのも分かるし、見た目で良いと思えた人をスカウトしやすい。企業が人材をスカウトできる場として、ドラフトトライアウトクラスを立ち上げました。
――企業は事前に選手のことを知らないまま参加するのですか?
丹羽 コンセプトは「身体を見て選ぶ」なので、事前に選手の情報は公開しないようにしています。個人情報があるとSNSで調べられる可能性もあるので、できるだけ先入観なく選んでもらうのが狙いです。
それは選手側にも言えることで、当初はステージ上で一言アピールしてもらう考えもありましたが、「筋肉を評価してもらって採用を勝ち取る場だから、言葉で選んでもらうのはダサい」と言って却下したんです。
――身体とオーラでアピールしろと。そこは従来のフィットネスコンテストと同じなんですね。
丹羽 選手側からのコメントはなくしましたが、ボディビルの大会は客席からの「掛け声」も魅力の一つです。そこは楽しんでもらっています。今回のドラフトには大学生の選手も参加していて、その子が登場すると客席から「高学歴!」と掛け声があがったんですよ。
すると、企業側は一気にその子のことが気になったようで、「あの子は高学歴なマッチョなんだ」みたいに目の色が変わって。やはり、高学歴でマッチョは引きが強いんだなと(笑)。
――実際に開催してみて、結果はどうでしたか?
丹羽 選手は20人ほど、企業は7社が参加してくれました。指名の重複も多く、抽選後に交渉権を獲得してから選手との話し合いがスタートするのですが、最終的に6人の選手でマッチングが成立しました。運営としては各選手に満遍なく指名が入るよう工夫したので、選手としても企業にとっても、いいマッチングの場になったかなと思います。
