東京の立ち食いそば屋はここ数年でずいぶん消えていった。しかし、2024年後半くらいから閉店のニュースはだいぶ減って、新店が誕生するニュースが増えている。嬉しいことである。
そんな折、取材がてら街を歩いていたら、かつて店があった場所が立派なマンションに変貌を遂げていたということがあった。そういえば閉店した店の跡地にはほとんど行っていない。そこで、今回は閉店してしまった都内の立ち食いそば屋がいまどうなっているのか、探検してみたもようを紹介する。
40年以上営業していた池袋「君塚」の跡地は…
池袋の西口側、池袋マルイがあった交差点の北側のビル1階で、立ち食いそば屋「君塚」がひっそりと営業していた。創業は昭和57(1982)年。ファサードが黄色とオレンジのツートンカラーでちょっと賑やかな感じの外観だった。
ただ店に入ると至って淡々とした雰囲気で、長いカウンターに並んで黙々と食べている客が目立つ。ラジオが流れていたような記憶がある。そばは世田谷の製麺所「むらめん」の茹で麺、つゆは昆布出汁が利いたような口当たりのよいタイプ。天ぷらは多種類を自家製で揚げていた。いつも「春菊天そば」を食べていた。「中華そば」や「マーボーそば」なんていうメニューもあった。
そんな「君塚」は令和5(2023)年5月31日に閉店。それから1年ほどがらんとした状態が続いていたのだが、令和6(2024)年5月28日にステーキライスとカレーの店「センタービーフ」が開業した。見に行った時は客の入りもいいようで行列もできていた。外観もお洒落。
池袋マルイの跡地には、商業・オフィス複合ビル「IT tower TOKYO」がほぼ完成する段階になっていた。
一帯もずいぶん変わったし、これからもっと変貌していくのだろう。
さて、「君塚」の跡地をみた自分の感想はこれだ。
「『君塚』って意外と広かった。Long goodbye」


