eMAXIS Slimシリーズの「オールカントリー(オルカン)」の生みの親として知られるシロタ・ウェルス・アンド・ウェルビーイング・アドバイザーズ代表の代田秀雄氏が、長期投資の極意について語った。

 文藝春秋PLUSの番組「BUNSHUN MONEY SCHOOL」に出演した代田氏は、多くの投資家が悩む「ポートフォリオの見直し頻度」について明確な答えを示した。(全2回の1回目/続きを読む

【オルカンは一括or積立どっちが良いか】今から間に合う新NISA活用法|40~50代がいまから始める際のポイント|釈迦に学ぶ投資に必要な「中道」マインド|下落は長期投資家の“修行の場”

(初出「文藝春秋PLUS」2025年10月23日配信)

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「コアの部分はほったらかしで」

 ポートフォリオの見直し頻度をどう考えればいいか、代田氏に質問が向けられた。

 代田氏の答えは明快だった。

「コアの部分は、ほったらかしで本当にいいと思います。将来にわたってこのファンドと一生付き合うと決めれば、そのファンドとずっと付き合っていくことになります。ファンドの中で分散投資が図れていれば、入れ替えや売却は基本的に必要ありません。そこはシンプルに考えればいいのです」

代田秀雄氏

 多くの個人投資家が陥りがちな過度な売買について、代田氏は警鐘を鳴らす。

「多くの方は資産運用とは別に本業をお持ちです。デイトレーダーのように24時間市場と向き合うことはできませんから、タイミングを捉えようとしても無理ですし、適切な売り場や買い場を探そうとしても、なかなか当たるものではありません」

「プロでも市場に勝てないのが現実」

 代田氏は、プロの運用者でさえ市場に勝つことの困難さを具体的なデータで示した。「プロの運用者が市場に勝とうと運用しても、そうはうまくいかないのが現実です」と語り、日本の投資信託のデータを提示した。

代田氏が提示したデータ

 資料によると、5年間の運用では多くのファンドが市場に負けており、10年になると市場に勝てるファンドがさらに減少する。そして20年後には、市場に勝てるファンドは1つか2つしか残らない現実が示されている。

「もう一つ重要なのは、点の数がどんどん減っていることです。これはつまり、ファンドがサバイブできていないということ。途中で脱落してしまっているのです」と代田氏は指摘する。人気のあるファンドだけを残していっているはずなのに、市場に勝てるファンドはどんどん減ってしまうのが現実だ。