「車なんて走れば一緒」の対極に、唯一無二を求めてやまない改造車マニアたちがいる。終わりなきカスタムに没頭する彼らの目には、一体何が映っているのか?

 今回は、ワゴンRスティングレーをカスタムする亮太さんをご紹介。

同じ軽自動車を14年も弄りつづける亮太さん。もはやライフワークと言えそうだ

◆◆◆

ADVERTISEMENT

マニア共通の「気づいたらここまでやっていた」

 昔から家族が車好きで、父も車を弄っていましたし、歳が離れた兄もY32のグロリアに乗っていて。とくに兄には色々連れ回されて、夜のふ頭でのミーティングとか、悪い影響を受けたと思います(笑)。

もはや「重武装」という言葉がふさわしいほど改造されたワゴンRスティングレー

 ただ自分としては、そこまで車にどっぷりハマるつもりはなく、最初は軽のライフを買ったんですよ。弄るのもダウンサスやホイール交換くらいで、かなり軽めのカスタムでしたね。

当時はまだ標準装備ではなかったウインカー内蔵型ドアミラー

 でも、14年前にこのスティングレーに乗り替えた頃から、周りの仲間がどんどん派手に弄るようになって……。自分の感覚も、次第にマヒしていったんですよね。そのうちイベントにも出しはじめ、「次はここもやらないと」と続けるうちに、いつの間にかこんなことになってしまいました。

 結局このスティングレーには、14年で500万円から600万円くらいかけちゃっています。やっぱり周りからは「そのお金かけるんだったら、普通車買えばよくない?」とか、「軽でここまでやる意味あるの?」とは言われますね。

インテリアはベージュとレッド系で統一

 自分でもそれは重々承知ですし、これまでに何度か乗り替えを考えたこともあるんですけど。まぁでも、「この車をもっとよくしたい」と繰り返していくうちに、額が膨れ上がっていった感じなので……。たぶん、カスタムにお金をかけている人たちのなかには、こういう風に「積もり積もって」という人も多いと思いますよ。

 今ではもう、同年代で弄っていた人たちも、結婚や子育てで降りちゃって。ここまでやっているのは自分くらいになっていますね。

渋いグレーのホイールから覗く赤いキャリパーがアクセント

 まぁ自分は独身ですし、車もこれと、あとは足用の軽なので。仕事は普通の工場勤務ですが、ある程度趣味にお金をかけていても、さほど負担は感じないんです。

 車のために何かを我慢する、といったこともないですね。野球観戦が好きなので、ちょいちょい甲子園やナゴヤドームまで見に行ったり。生活のなかで気をつけているのは、「なるべく外食はしない」ってことくらいですかね。 

普段の足にはタントを使っている。そちらもシャコタン仕様のため、「足車なのに気を遣う」とのこと

 ただやっぱり、結婚なんかのことを考えると、なかなか誰かに理解してもらうのは難しいのかなと。これまで付き合った人からも、「やめなよ」と言われることはありましたし……。これはもうほんとに、「縁があれば」としか言いようがないですね。

次の記事に続く 「最初は転売して儲けてやろうかなと…」車体価格1500万円級の“レクサス版ランクル”を改造するイケオジオーナーの“意外な職業”とは

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。