師匠直伝のマニュアルで“おぢ”を巧みに操り、5人から総額2000万円をだまし取った20歳女性。「今月1000万プレーヤーになれた」と師匠に自慢したことも。しかし、計画的かつ巧妙な手口は発覚し、逮捕へ。彼女が法廷で語った、あまりに身勝手な更生プランとは――。(全2回の2回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

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約500万円だまし取られたB男さん

 また、同時期に騙されていたのが自営業のB男さん(63)だった。

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 B男さんはマッチングアプリで「村上かな」と名乗る莉玖と知り合い、まったく同じ手口で「マンションの家賃を滞納しているから、あなたと同棲できない」と持ちかけられ、21万円を騙し取られた。

 さらに「風俗のスカウトマンに170万円を借金している」という作り話をして、行きつけのホストクラブに勤務している飛鳥涼(25)に協力を依頼し、スカウトマンに成りすました飛鳥がB男さんから170万円を騙し取った。

 最終的に莉玖が持ちかけたのは「風俗店で働く契約書にサインしてしまった。違約金300万円を支払わなければ、風俗で働くことになる。だから、もう同棲はできない」と言って、B男さんに300万円を用意させ、それを地下鉄の駅で受け取ったというものだった。

 莉玖は喜んで、りりちゃんに「ほぼ今月1000万プレーヤーなれたよ」と報告していた。

 莉玖はB男さんに対しても「かなが拉致された」と言ってフェイドアウトし、村上かなと松田莉玖の身を案じたB男さんが警察に相談したため、事件が発覚。奇しくも2人の男性が同じ時期に同じ内容で相談に訪れたのだ。

 莉玖と飛鳥は詐欺容疑で逮捕された。それでも莉玖は自分の行為が詐欺罪に当たるとは思っておらず、「相手が私のことを好きだから、お金を用立ててくれただけです。騙し取ったわけではありません」などと供述した。