一度だけ部屋に女性が来たことがあったが……

――これだけ昆虫を飼育するとなると、物件探しも大変だったのでは? 

蜂丸 本来なら大変なはずなんですが「引っ越しします」という動画をアップしたところ、不動産業をやっている視聴者の方が助けてくださって、今の物件にめぐり合うことができました。

――物件選びでこだわったポイントはありますか?

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蜂丸 隣の部屋でバルサンが焚かれて、その煙が壁を抜けてきて虫が全滅したって話を聞いたことがあり、部屋が隣接していないところがいいなと。あとは水道が部屋から近いこと、シンクが広いとこが本当に理想ですね。乾燥に弱い虫も多いので、加湿器や霧吹きの水をしょっちゅう補充する必要があって水場が遠いと往復が大変なので。

©細田忠/文藝春秋

――やはり、虫を飼育することを前提に物件選びをされているんですね。住環境で気をつけていることはありますか?

蜂丸 近隣の方が殺虫剤を使ったとき、万が一にも部屋に入ってこないように年中雨戸を閉めています。あと、部屋が広すぎると保湿管理が難しくなるので、カーテンで部屋の中央を仕切って狭い空間を作るようにしています。いまは居住スペースが1部屋ですけど、本当は狭い部屋が2つあるのが理想ですね。

――ちなみにこの部屋に、虫好き以外の友達とかが来ることもあるんですか?

蜂丸 虫好き以外はめったにないですね。でも、奇跡的に一度だけ女性が来てくれたことがあったんですよ。お酒も飲んで、いい雰囲気だったんですけど、女性がこの部屋の様子を見た瞬間、呆然としちゃって……。この部屋自体にウコンみたいな効力があったのか、あっという間に酔いが覚めたみたいで、すぐに帰られてしまいました。

――あまりに見慣れない光景なので、さすがに驚かれますよね。

蜂丸 まあ、特殊な趣味ではあるので、一般の方には理解しにくいかもしれません。でも、虫は犬や猫に比べると誰でも飼いやすくて、ペットを飼いたい人には意外とハードルが低いと思うんですよね。

 寿命が短いので、犬や猫みたいに10年後の自分の生活を想像する必要もないですし、価格も高くない。採集すればお金もかかりませんし、数匹だけなら維持費も安いですし、ペット入門にはちょうどいい存在だと思いますよ。

次の記事に続く 「ムカデ1匹で10万円」「ダンゴムシ5匹で20万~30万」になることも…数百匹の虫を『ペット』として飼う男性(38)が語る、虫たちの“意外な市場価値”

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