日本生命保険は11月25日、銀行への出向者が内部情報を無断で持ち出していた問題で、非開示としていた役員の処分内容や自主返納額を、一転して開示した。朝日智司社長(62)と清水博会長(64)、筒井義信特別顧問(71)は、月額報酬の3割を1カ月自主返納。出向者を管理する金融法人業務部の担当役員だった赤堀直樹副社長(61)らも報酬を減額する。

「11月18日に会見で、日本生命と子会社からの出向者が持ち出した内部情報は、2019年以降で1500件超だと発表。併せて役員の処分を決めたと発表しましたが、内容は非開示としていた」(金融関係者)

4月に就任したばかりの朝日社長 ©時事通信社

 しかし、処分内容を隠したことへの批判は強かった。20日の決算発表でも記者から疑問の声が噴出し、公表に追い込まれた。

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「公表を避けたかったのは、事件発生当時の会長で、経団連会長を務める筒井氏への配慮ではないかと囁かれた。結果、処分を隠そうとする企業体質がクローズアップされてしまった」(同前)

 筒井氏も25日、経団連会長会見で「(金融機関からの)情報収集について、期待する風土を作ったことに原因がある」と陳謝した。

 事件が公になったのは7月。最終的に現経団連会長も処分を受け、謝罪するまでに至った。その間には、会社側の対応への社員からの反発もあったという。

《この続きでは社内一部で起きていた“ある動き”、「毎日新聞」が報じた「スパイ」についての実態などについて詳しく報じている。記事全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および12月4日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる》

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