俳優、モデル、さらにアニメやゲームが好きな“オタクタレント”のパイオニアとして活躍した加藤夏希さん。現在は4児の母として忙しい日々を送りながら、俳優としての活動を再開している。そんな加藤さんにアニメ好きになったきっかけから、女性として初めて仮面ライダーとなった経緯、さらにキャリアの分岐点だったと振り返る、過酷すぎる「バトル・ロワイアルII」の撮影現場について聞いた。(全4回の2回目/続きを読む)

加藤夏希さん ©山元茂樹/文藝春秋

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レンタルビデオで「スレイヤーズ」OVA版にはまる

――加藤さんはオタク趣味を持つタレントのはしりといえます。アニメも昔から好きだと公言されていました。当時はネットフリックスやAmazonプライムはありませんでしたし、テレビの生放送を見るかレンタルビデオが主流でした。

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加藤夏希さん(以下、加藤) そうですね、レンタルビデオをよく借りてました。それこそ私が好きな「スレイヤーズ」という作品も、最初にビデオで展開していたOVAで知りました。普通はやっぱりテレビシリーズを見て好きになると思うんですけど、田舎なのでテレビでの放送がなかったんです。だからレンタルビデオ店で借りるしかなくて、借りたのがOVA版だったんです。映画っぽいけれど、映画ほどの大作感がない。「OVAってすごい面白い」と思ってました。

©山元茂樹/文藝春秋

――「スレイヤーズ」はOVAとテレビシリーズでは登場するキャラが違うのが大きいですよね。OVAしか白蛇のナーガは出てきません。

加藤 そうなんです。ナーガがいるのが私にとっては当たり前で。OVAや劇場版を借り終わってテレビシリーズを見たら「全然ナーガが出てこない」「レギュラーっぽいメンバーもなんか違う」というのも面白くて。「スレイヤーズ」以外のOVAでは「天地無用!」とかも見ていました。

――加藤さんは声優の緑川光さんのファンを公言していましたが、「スレイヤーズ」が緑川さんとの出会いですか。

加藤 もともとガンダムを兄が見ていたんですよ。それで「夏希もこの絵のタッチなら好きなんじゃないの」と「新機動戦記ガンダムW」を教えてくれて。それで見ていたら「あれ、この声は知っている、私」みたいな。それが緑川さんでヒイロ・ユイにハマりました。