4/7ページ目
この記事を1ページ目から読む
わずか6時間で組み立て完了?
さらに、現場での工期を大幅に短縮できるというメリットも見逃せない。
「今回は、終電から始発までの約6時間で基礎からすべての組み立て工事を完了させました。それぞれの部材を誤差なく工場で出力しており、それを現地に運んで組み立てる。
失敗はできないので何度もシミュレーションを重ねましたが、一般的な建築工事と比べれば現場での作業期間はかなり少なくて済むんです」
工期短縮のメリットは計り知れない。
通常ならば、基礎を打ってからコンクリートが固まるまで数週間。さらに工事を続けて数カ月。この間、人件費も膨らむし、そもそも最近では人手の確保が難しくなっている。夏の酷暑の中で作業を強いることもできなくなりつつある。
地方の小駅の工事は、だいたい地元の建築会社が担う。大手ゼネコンの手がける大事業ならともかく、こうした小規模な工事では一層人手の確保の難易度が上がっているのが現実だ。3Dプリンター駅舎は、そうした問題をも一挙に解決してしまうのである。
と、こういった話を聞くと、もう駅舎どころかありとあらゆる建築物は3Dプリンターでつくればいいじゃない、と思ってしまう。コストも工期も圧縮し、人手不足問題も解消してくれるのだから……。
が、それほど話は簡単ではない。もちろん3Dプリンターにもデメリットはあるようだ。

