――なぜホストではなく着エロだったんですか?
向 撮影のロケが楽しかったんですよね。学校に行ったことがないので、スタッフみんなで協力して、ひとつの成果物を作り上げるという作業が新鮮だったんですよね。
――向さんはここからアダルトコンテンツの世界に入っていくと思うのですが、人前で裸になることに抵抗はなかったですか。
向 なぜか全然なかったんですよね。それどころか、自分の出た着エロのDVDを成人式に持っていって、友人に見せてまわっていました。
――小中高と不登校で、成人式に出たことにまず驚いています。
向 そこですか(笑)。でも不登校でも友達がいないわけじゃなかったし、中学とかはたまに行くと「わぁ来た!」って歓迎されてた気もします。
あと、ホストや着エロを経験して、コミュニケーションの取り方にある程度自信がついていたのもあって行けたんでしょうね。
――そんな着エロモデルも長くは続かなかった。
向 着エロDVDの出演料が1本10万円で、撮影が2カ月に1本なので全然生活できず、所属していたプロダクションでアルバイトを始めました。AV女優さんのライブチャットを監視する仕事だったんですけど、そこで働いていた女優さんに手を出してしまいクビになりました。
――ちょっとやばい人、ということですか……?
向 業界のルールを誰も教えてくれなかったんですよね。女優さんから誘われたのでつい乗ってしまったら、「女優側から誘っても手を出したらアウト」だと後で言われました。それで事務所もクビで、DVDも3本出したところで強制引退になりました。これも半年でしたね。
「男の人とキスするときに相手の舌をすごい力で噛んでたと言われて…」
――モデル活動ができなくなったあとは、どうしたんですか。
向 その次は、知り合いのゲイバーのママから紹介されて「売り専」を始めました。歌舞伎町でゲイのお客さん相手のバーに入って、すぐ指名客もついて突然生活も安定しました。
――男性を相手に性的サービスをするのは抵抗はなかった?
向 それも当時はわからなかったんですよね。ストレスを溜めている自覚はなかったんですけど、男の人とキスするときに相手の舌をすごい力で噛んでたと言われて、「もしかして自分はこの仕事が嫌なのか」と気づいたんです。

